年齢差を超えて共感し競い合うご両人!仁建商に所属する愛里彩丸(ありさまる)さんと、フリーで活躍する命一代(みこといちだい)さんは、伝統的な飾りと斬新なアートを融合した大型ダンプを駆る気鋭トラッカーだ。
ふたりが出会ったのは数年前のこと。ともに千葉県の実力ファクトリーである初芝工業の常連客同士だったことから、言葉を交わして以来、親交を深めてきた。
「古いダンプなのにキレイに手入れされてるなぁ、というのが第一印象でした。でも、ダンプ以上にインパクトがあったのが命一代さんでした。本人も『出入り禁止になった現場はかず知れず!』って豪語していますが(笑)、アートに対するポリシーに1本筋がとおっているんで、同じダンプ乗りとして刺激を受けましたね。このご時世にフリーであれだけ飾りながら仕事をするというのは、ボクにはマネできないことなので」。
一方「自分は自分、他人は他人だと思ってるんで、人のことをいうのはあまり得意じゃないんだけど」と前置きしつつ「愛里彩丸さんに限っていうなら、オレより年下のトラッカーのなかでも一目置いてるかず少ない存在のひとりだね。いい会社でワッパを握ってるとやっぱり目の輝きが違うし、雰囲気も堂々としてる。オレなんかは一匹狼の単なる変わり者だけど、彼には正統派のにおいを感じるんだ(笑)。ぜひビッグになってもらいたいね!」。
そんなふたりが口をそろえて絶賛するのが、御用達の初芝工業だ。「ステンレス張りの技術は最高レベル。まあ、ここまでダンプを知り尽くしている店はそうはないし、愛里彩丸さんがわざわざかようのもうなずけるよ」と命一代さん。
一流ファクトリーに足繁くかようご両人が、それぞれのアートスタイルでしのぎを削る。ひとまわり以上の年の差を超えた、うらやましい限りのライバル関係だ。
秀逸なボディメイクが冴える三菱ふそうスーパーグレート!愛里彩丸は、ブルーメタリックのコーポレートカラーに高精度かつハイセンスなワンオフパーツを組み合わせた魅力あふれる秀作車だ。 特筆すべきは、少なめの手かずながらもツボを押さえたスタイルメイク。
エレガントな質感と精悍なフォルムがみどころの舟型バンパーをはじめ、大胆な張り出しを誇る角おこしパイプ3本仕様のミラーステー、木更津ステンレスで高貴さをアピールするサイドバンパー、深掘りデザイン&サイドスリットが印象的なプロテクトップなど、全身に美しくオリジナリティに富んだ初芝工業製のパーツ群を堂々とラインナップする。
傷みやすいリアエンドにも、木更津ステンレスを光らせたケツブタや、リアバンパーの5発を含め計13発をレイアウトした8角テールを中心に、スキなく完成度に優れたコーディネートを実現している。モダンなセンスを随所に光らせた注目の1台だ。
高い工作精度のパーツ群で美麗スタイルを構築!平成元年式のスーパードルフィンは、全身に初芝工業が手腕を振るったワンオフパーツを満載した迫力満点のフルアートダンプだ。 注目のキャブ周りには、厚さ56cmを誇る重厚なラッセル戻しバンパーをはじめ、バイザー天板にステーを設けつつ搭載した8角キャブロケット、菱形棒チップデザインをあしらった角おこしパイプ3本仕様のミラーステーなど、優れた量感とアレンジ性を兼ね備えた鏡面パーツを積極採用。
また、フロントパネルに配したウイングマークや弁当箱、菱形棒チップ仕様のドアバイザーなど、ディテールにも魅力的なパーツ群をバランスよくコンビネーションしている。
一方、プロテクター前面、アオリ、サイドバンパーを上質な木更津ステンレスでコーディネートした荷台周りも、観る者を魅了するに十分な完成度を獲得。ベテラントラッカーのセンスと敏腕ファクトリーの技術力が結実した必見の1台だ。
【写真8点】名工・初芝工業の腕が冴え渡るハイパーディテール。カミオン2009年1月号ザライバルバトルをもとに再構成