【最強の系譜 4WD+ターボ 1989年式 ランチア デルタHFインテグラーレ 16V vol.1】
ハチマル時代に一世を風靡した「4WD+ターボ」という組み合わせの国産車たちにとって最高のベンチマークとなったのが、イタリアの先達、ランチア・デルタHFインテグラーレ。
4WD+ターボのお手本となった、魅惑のイタリアンスポーツカー
1970年代、グループ4時代を席巻した「HFストラトス」。80年代中盤、グループB時代の「037ラリー」あるいは「デルタS4」と同じく、世界ラリー選手権(WRC)における覇権を唯一最大の目的とした、まさに「パーパスビルド・カー」の典型である。
その前身となったのは、87年1月に発表されたデルタHF4WD。狂乱のグループB時代の最終シーズンとなった86年「ツール・ド・コルス」にて、デルタS4を駆るアンリ・トイボネン選手とコドライバーが犠牲となった死亡事故の余波から、急きょ翌年からグループAで闘われることが決定したWRC選手権に対して、驚くほど迅速に対応したランチアの回答である。
【画像17枚】トランクルームは決して広大ではなく、リア駆動系によって底上げされた上にスペアタイヤも置かれているため、スペースはミニマム。フロントフェンダーにあるランチア製ラリーカーの伝統HFバッジ。Homologa to FIA(FIAホモロゲート)やHi-Fiの頭文字とも言われるが、詳細は不明>>ランチアは1906年創業の老舗メーカー。フィアット傘下になる以前は、技術至上主義かつコスト度外視の上質なクルマ造りが身上。
>>FFハッチバックがベースながら、ブリスターフェンダーなどでスパルタンに仕立てられ、ある種のスーパーカー的な魅力を得た。
ランチア デルタHFインテグラーレ16V(L31D5)主要諸元全長×全幅×全高(mm) 3900×1690×1360
ホイールベース(mm) 2480
トレッド前/後(mm) 1448/1440
車両重量(kg) 1250
エンジン型式 --
エンジン種類 直列4気筒DOHC16バルブICターボ
総排気量(cc) 1995
ボア×ストローク(mm) 84.0×90.0
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps/rpm) 200/5500
最大トルク(kg-m/rpm) 31.0/3000
ステアリング パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション前/後 マクファーソン・ストラット+コイル/トーションバー式スタビライザ
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 205/50VR15(前後とも)
発売当時価格 520.0万円
【2】へ続く1989年式 ランチア デルタHFインテグラーレ16V(全3記事)初出:ハチマルヒーロー 2017年5月号 Vol.41
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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