ハチマルヒーロー本誌では幾度となく大ヒットテレビドラマ「西部警察」を取り上げてきた。 その際に紹介してきたクルマたちは熱心なファンが作り上げたレプリカ車両だった。それら車両とオーナーの情熱には感服するものがあり、敬意を表してあまりある。今回は満を持してドラマで使用された本物の車両が登場。2016年当時、石原裕次郎記念館の全面協力で取材した車両の数々を細部までお見せしていく。なお、小樽 石原裕次郎記念館は2017年に閉館、
石原裕次郎オンライン記念館がオープンしている。
【小樽石原裕次郎記念館所蔵車両完全収録 総力取材!! キャデラック フリートウッド ブロアム】
日本では、メルセデス・ベンツやロールス・ロイスといった欧州を代表する高級車に乗っていた裕次郎さん。その一方、ハワイの別荘では、アメリカンドリームの象徴であるキャデラックを愛用していた。
裕次郎さんが選んだのはフリートウッド・ブロアム。ドゥビルの上級モデルとしてデビューしたフルサイズセダンで、独特の雰囲気を持つフロントマスクや長いリアのオーバーハングなど、ひと目でアメ車と分かるスタイリングが特徴的。インテリアも同じような傾向で、ベンチシートとコラムシフト、ふかふかのレザーシートなど、アメ車の王道を突き進む趣となっている。ちなみに、1985年にFFのフリートウッドが登場したことで「ブロアム」に名称を変更。従来のFRユーザーからの支持も厚く、しばらくは継続して販売された。
この個体はハワイの青空を表現したようなライトブルーメタリックのボディカラーで、サングラスをかけてステアリングを握る裕次郎さんの姿が目に浮かぶ。そして注目してもらいたいのがライセンスプレート。ハワイでは個人名でも登録できるため、このキャデラックには「YUJIRO」というプレートが付けられている。ただし本当は、婦人の「MAKIKO」の名も入れたかったが、文字数の都合で入れることができなかった……なんてエピソードもあるそうだ。
また、フロントガラスにはオアフ島の高級住宅街に隣接するゴルフ場「ワイアラエカントリークラブ」のステッカーが確認できる。これによりフリーパスでゴルフ場に入ることができたという。まさに、巨万の富を得た裕次郎さんならではと言えるだろう。
>> 【画像10枚】本皮仕様で非常にゴージャス、厚みのあるふかふかのベンチシートなど。裕次郎さんも、この空間でリラックスしていたのだろう>> ロールスロイスもそうだったが、キャデラックもレザートップ仕様。車格以上の高級感を醸し出しており、トップのコンディションも非常に良い。
>> 木目が多用されるとともに、握りが細い大径のステアリングや横長のバーグラフ式メーター、コラムシフトなど、いかにもアメ車的なインパネ。
初出:ハチマルヒーロー 2016年 9月号 vol.37
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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