リトラクタブル・ヘッドライトはC2で初登場 アメリカの誇りを築いたアイコン的スポーツカー コルベットC2 3

C5世代までの歴代コルベットでアイコンとなったリトラクタブル式ヘッドライトは、このC2で初採用。

オーナーの見識を感じさせる1台


閉じた状態ではクールな印象のヘッドライトだが、開くとオーナーいわく「ガチャピンのよう」というファニーな表情に。


 今回取材・撮影した65年式C2コンバーチブルは、最もおとなしい250psスペックのエンジンに2速ATを組み合わせた個体。オーナーの根本勝さんは、毎年11月に富士山麓で開催されるアメリカ旧車の大規模ミーティング「アメリカン・ヒストリック・カーショー」を主催する一人。また本誌でもお馴染み「スプレンドーレ」系各イベントのポスターを手掛けるイラストレーターとしても知られている。

 約30年前の学生時代に、S54Bスカイラインなどの国産車から旧車趣味の扉を開いた根本さんは、その後空冷VWやミニ・クーパー、メルセデスの古いSクラスなどの欧州製クラシックカーを愛好する傍ら、アメ車の世界に魅せられてゆくが、一方で今なお古い商用車をはじめとする国産車や欧州車も等しく愛好する、極めて見識の高いエンスージアストなのだ。

 そんな彼が22年前に入手した1台がこのC2だ。購入後約10年を掛けて、自らFRPボディの総剥離・面出しを行うなどのフルレストアを敢行した一生モノの愛車である。そして徹底的なオリジナリティーが追求された素晴らしいコンディションは、まさしくオーナーの見識の表れ。アメ車ファンならずとも、実に魅力的なコルベットといえるだろう。

SPECIFICATIONS
65年式 CHEVROLET CORVETTE CONVERTIBLE

●全長 4448mm
●全幅 1768mm
●全高 1265mm
●ホイールベース 2489mm
●トレッド 前1430/後1447mm
●車両重量 1370kg
●エンジン種類 水冷V型8気筒OHV
●ボア×ストローク 102.0×82.6
●総排気量 5358cc
●圧縮比 10.5:1
●最高出力 253ps/4400rpm
●最大トルク 48.40kg-m/2800rpm
●サスペンション 前/独立懸架ダブルウイッシュボーン後/横置リーフ
●タイヤ 7.75 × 15

V型8気筒型エンジンは、65年モデルで「396cu.in.」ビッグブロック導入以前は、「327cu.in.」スモールブロックのみの設定。この個体は「327cu.in.」の4種のチューンの内、最も穏当なSAE・250ps版。





トップルーフ
ソフトトップは美しいスタイルを損なわないよう、キャビン背後のFRP製リッド下にキレイに収納できる。

ホイール
今や希少な、純正ホイールキャップ。センターにダミースピンナーも付く、実に凝ったつくりに驚かされる。

オーナー
OWNER 根本 勝さん(神奈川県)
学生時代から国産・輸入車を問わず旧車を愛好し、現在ではアメ車の大ミーティング「アメリカン・ヒストリック・カーショー」を主催。「スプレンドーレ」系各イベントのポスター、イラストも一手に引き受ける好事家だ。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2014年4月号 Vol.162(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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