水没した前期と後期のトヨタ2000 GTは、比較的ボディの状態がよかった後期型の作業が先行して進んでいる。ボディの室内側は塗装が完了し、次は外装の作業を待つばかり。これと並行し、2000 GTと一緒に水没していたフェアレディ240ZGの作業もはじまったのでお伝えしておこう。
【 ニッポン名車物語 復活編 第三話 Vol.1】
クラシックカーのレストアは時間がかかるものだ。それは、仕上がりにこだわる以上、仕方のないことである。
前期と後期、2台同時に作業が進む水没トヨタ2000GTレストアプロジェクト。前号では2台の分解の様子をお伝えした。その過程で比較的状態がいいことが分かった後期型については、すでに車体内部やエンジンルームの塗装へと作業が進んでいる。それに対し前期型は、水のたまりやすいフロアなど広範囲にサビが発生していたため、板金作業に時間がかかっている。
ビンテージカーヨシノでは、サビで開いた穴をパテで埋めてごまかすというような手抜きはしない。サビはしっかり取り除き、穴が開いてしまった腐食個所は、腕利きの板金職人が鉄板から新たに作り直す。
日本を代表するビンテージカーであるトヨタ2000 GT、中途半端なレストアではその価値が損なわれてしまう。ビンテージカーヨシノはトヨタ2000 GTを美しい姿で後世に残すべく、仕上げに妥協をしない。
>> 【画像25枚】車内も泥水につかりひどい状態になっていた、屋根の上まで浸水した泥まみれのトヨタ2000 GT後期型のようすなどエンジンルーム内も、エンジンを降ろした状態だと作業がしやすい。
運転席フロアの状態。ペダル下あたりに薄くサビが出ているが、この程度なら軽傷といえる。
これに下地を作り、遮音シートを貼る。白く見えるのはパネルの合わせ目に水が入らないようにするシーリング剤。この後、黒で塗装される。
【2】に続く初出:ノスタルジックヒーロー 2016年10月号 vol.177
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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