LP500と512BB、謎の極悪コンビ【前編】強さゆえにヒール役を演じた名脇役|サーキットの狼世代へ スーパーカーの饗宴|1981年式 フェラーリ 512BBi

流れるようなボディラインと低いシルエットがフェラーリ512BBの大きな特徴。全体のボディ形状は前モデル365GT4BBとの違いがほとんどない

       
「サーキットの狼」を中心として盛り上がった上がったスーパーカーブーム。
ブーム絶頂期を迎え、少年たちは、最強のスーパーカーはランボルギーニ・カウンタックか、それともフェラーリ512かと議論を繰り返していた。
この2台が大型スーパーカーの2大巨塔であったのは言うまでもないこと。子どもたちにも絶大な人気があったモデルだ。

【サーキットの狼世代へ スーパーカーの饗宴|1981年式 フェラーリ 512BBi【前編】】

【画像17枚】512の大きな特徴といえるエアーインテーク。アメリカで生まれた最新の航空技術を採用した。プレートに刻まれたエンブレムはピニンファリーナのものだ。

同時大人気だった2台のスーパーカー。しかし、「サーキットの狼」劇中では悪役としての登場となった。
街を走るスポーツカーにアタックをかけて、迷惑行為を繰り返す2台のスーパーカー、フェラーリ512BBとランボルギーニ・カウンタックが突然現れ、スポーツカーをクラッシュに追い込むという役回りだ。

それに対し、全国的に被害が広まると、主人公の風吹をリーダーとするホークスが結成され、この2台を取り締まるというストーリーだった。
その後、追い詰めた2台のクルマからおりてきたのは、金持ち御曹司の兄弟であった。しかし、親の愛を欲していたかわいそうな私生活を過ごす兄弟であり、憎めない悪者であった。

ちなみに風吹が取り締まりのためにステアリングを握ったのはランチア・ストラトス。
当時のスーパーカーブームの中でも独特なデザインで人気のあったクルマだ。
圧倒的なパワーを誇る2台に対して、パワーの劣るクルマを操り、最後には2台を追い詰めるまでに活躍している。

このあたりの配役がなんとも絶妙で、鋭いシルエットのクルマたちのデッドヒートは手に汗握る展開であった。困難を乗り越えるストーリー性、またもや少年たちはそのサーキットの狼の魅力に飲み込まれていったのだった。
【後編】に続く


>>ヘッドライトはリトラクタブル式。



>>その外観からミッドシップエンジンであることがすぐに分かる造形。直線的なデザインが先鋭さを強調する。



>>テールランプは左右に2個ずつ。マフラーは2本出しが2カ所。


フェラーリ512BBi
全長×車幅×全高:4400×1830×1120mm
ホイールベース:2500mm
トレッド 前/後:1500mm/1500mm
車両重量:1580kg
エンジン:180度V型12気筒DOHC 縦置きミッドシップ
総排気量:4942㏄
最高出力:340PS/6000rpm
最大トルク:46.0kg-m/4200rpm
生産年:1981~1984年
生産台数:1007台(512BBiのみ)
生産国:イタリア
※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 12月号 Vol.196
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
サーキットの狼世代へ フェラーリ512BBi(全2記事)

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ext:Keishi Watanabe/渡辺圭史 photo:Ryota Sato/佐藤亮太(サッカス) cooperation:池沢早人師サーキットの狼ミュージアム

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