トヨタ1600GT GT4【5】「いつまでもドライブしていたくなるような楽しさ」。レーシーなスタイリングでストリートの走りもスムーズに

スピードメーターは、ベレットGTの純正を流用。キルスイッチをはじめ各種スイッチはセンターパネルに集約している。シルバーのタンブラースイッチは、電動式となるオイルクーラー用のスイッチだ

コロナ1600をベースに開発されたトヨタ1600GT。ここで紹介するのは、岡山にある旧車ショップ「クラブスポーツ」の古泉晃代表のオーナーカー。ロータス、ポルシェ、フェラーリなど、世界の名だたるスポーツカーを乗り継いだ末にたどり着いた今の愛車。古泉さんは「走らせる面白さは、文句なく一番」と断言する。

【1967年式 トヨタ1600GT GT4 Vol.5】

【画像23枚】レーシング仕立てのスパルタンなコックピット。グローブボックスの下に設置されているのはブレーキのブースターシステム

「抜群の完成度。走らせていて、これほどバランスがいいと思ったクルマはこれまでなかった。1.6Lにして、レースで2LのGT-Rに肉薄したのもうなずけます。文字通り、いつまでもドライブしていたくなる楽しさです」

外観はもちろん、ボンネットの中、車内のどこを見てもレーシング。それでいてストリートの走りもスムーズにこなす古泉さんのGT4。実際にレースに参戦した経歴のあるこのクルマの、主なスペックは次の通りだ。

まずボディは、ボンネットおよびトランクがアルミ製、ウインドーはフロントガラス以外すべてアクリルで軽量化されている。エンジンはハイカム、ビッグバルブ、1mmオーバーサイズピストンを組み込み、キャブはソレックス44PHH。エキゾーストは、レース用のタコ足とφ50mmのワンオフマフラーの組み合わせだ。


>>レーシング仕様のメーターパネル。センターにはタコメーターを、ゼロ位置を真下に向けて装着。その左横にオイルプレッシャーゲージがレイアウトされている。


>>シートは軽さと剛性にこだわった、オートルックのフルバケットタイプのレーシングシート。6点式フルハーネスの装着が可能な本気モデルで、助手席にも同じシートを装着。
全ての画像を見る

主要諸元 SPECIFICATIONS
1967年式 トヨタ1600GT GT4

■ボディ:アルミ製ボンネット&トランク、アクリルウインドー(左右、リア)、レース用安全燃料タンク
■︎エンジン:9R型(1740㏄)、ハイコンプピストン
■吸気系:ソレックス44PHH
■︎排気系:φ42.7mmタコ足+φ50mmマフラー
■点火系:セミトランジスターイグニッション
■冷却系:レース用オプションオイルクーラー+オイルポンプ追加
■駆動系:純正4速、LSD
■︎サスペンション:(F)コニ、強化スタビ、延長ロワアーム (R)TRD+レース用
■︎ブレーキ:(F)SR311用キャリパー+14インチディスク (R)アルフィンドラム
■タイヤ:ヨコハマ アドバン・ネオバ 185/60R14
■︎ホイール:RSワタナベ F:6.0J×14 6.5J×14
■︎インテリア:オートルック・ バケットシート、4点式ロールバー

【6】へ続く

初出:ノスタルジックスピード vol.024 2020年4月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 トヨタ1600GT GT4(全5記事)

TEXT:HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

RECOMMENDED

RELATED

RANKING