トヨタ1600GT GT4【4】子供のころにあこがれた、グラマラスなフェンダーライン。クルマに夢中だった記憶が鮮明に

1600GTが搭載する9R型はヤマハが手がけた国産初の4気筒DOHCエンジン。タコ足はレース用でφ42.7㎜。ラジエーターはコア増しした強化品だ

コロナ1600をベースに開発されたトヨタ1600GT。ここで紹介するのは、岡山にある旧車ショップ「クラブスポーツ」の古泉晃代表のオーナーカー。ロータス、ポルシェ、フェラーリなど、世界の名だたるスポーツカーを乗り継いだ末にたどり着いた今の愛車。古泉さんは「走らせる面白さは、文句なく一番」と断言する。

【1967年式 トヨタ1600GT GT4 Vol.4】

【画像23枚】オーナー古泉さんが「伝家の宝刀」と呼ぶレーシング仕様のカム。4000rpm以下が使いものにならなくなるサーキット専用品
昨年冬に偶然出合ったこのトヨタ1600GTは、ドライビングの楽しさを思い出させてくれた。子供のころにあこがれた、グラマラスなフェンダーのライン。

トヨタ2000GTと同じデザインの七宝焼きエンブレム。そして、書き殴ったようなスパルタンなロゴマークを見ているだけで、クルマに夢中だった頃のシーンが鮮明によみがえり、胸が熱くなる。

手に入れてからというもの、メンテナンスしたり、劣化した部分をレストアしたり、そして何より、走らせている時間が楽しくてしょうがない。さまざまなスポーツカーに乗ったことがあるからこそ分かる、トヨタ1600GTのスポーツカーとしてのデキの良さを実感した。


>>キャブレターはソレックス 44PHH。ファンネル長は50mmでレーシーな吸気サウンドを奏でる。


>>ワンオフ品のマフラーを装着。センターパイプのサイズは低速と高速の両立を狙ったφ50mm仕様。サイレンサーの内部は、抜け重視のストレート構造だ。
全ての画像を見る

主要諸元 SPECIFICATIONS
1967年式 トヨタ1600GT GT4

■ボディ:アルミ製ボンネット&トランク、アクリルウインドー(左右、リア)、レース用安全燃料タンク
■︎エンジン:9R型(1740㏄)、ハイコンプピストン
■吸気系:ソレックス44PHH
■︎排気系:φ42.7mmタコ足+φ50mmマフラー
■点火系:セミトランジスターイグニッション
■冷却系:レース用オプションオイルクーラー+オイルポンプ追加
■駆動系:純正4速、LSD
■︎サスペンション:(F)コニ、強化スタビ、延長ロワアーム (R)TRD+レース用
■︎ブレーキ:(F)SR311用キャリパー+14インチディスク (R)アルフィンドラム
■タイヤ:ヨコハマ アドバン・ネオバ 185/60R14
■︎ホイール:RSワタナベ F:6.0J×14 6.5J×14
■︎インテリア:オートルック・ バケットシート、4点式ロールバー

【5】へ続く

初出:ノスタルジックスピード vol.024 2020年4月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 トヨタ1600GT GT4(全5記事)

TEXT:HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

RECOMMENDED

RELATED

RANKING