トヨタ1600GT GT4【2】スカイライン2000GT-Rのデビュー戦で一着でゴールイン。1600GTファンの語り草

車高が後ろ下がりとなるノーマルに対して、この1600GTは、回頭性を高めるために、かなり前下がりにセッティングされている印象だ。それにしても美しい、コロナゆずりのアローライン。ホイールはRSワタナベ、タイヤはネオバAD07を履く

コロナ1600をベースに開発されたトヨタ1600GT。ここで紹介するのは、岡山にある旧車ショップ「クラブスポーツ」の古泉晃代表のオーナーカー。ロータス、ポルシェ、フェラーリなど、世界の名だたるスポーツカーを乗り継いだ末にたどり着いた今の愛車。古泉さんは「走らせる面白さは、文句なく一番」と断言する。

【1967年式 トヨタ1600GT GT4 Vol.2】

【画像23枚】大容量のオイルクーラーは、専用ポンプで強制循環させるシステムで、電動式でオン/オフの設定ができる。当時、レース用のオプション品だったスペシャルパーツだ

 その後、スカイライン2000GT-Rのデビューでは、1着でゴールラインを通過したが判定で3位となりGT-Rに破れた。この69年JAFグランプリは、今もトヨタ1600GTファンの語り草だ。

そんなワークスカーさながらのトヨタ1600GTを駆るオーナーも、当時の、このクルマのサーキットでの活躍ぶりを鮮明に記憶している。

 「当時は、まだ10代のはじめ頃でしたが、大のクルマ好きだった叔父に連れられ、しょっちゅう富士スピードウエイに出かけていました。ちなみにその頃、叔父が乗っていたクルマが、コレと同じトヨタ1600GTのGT4。血はあらそえんもんです(笑)」

そんな50年前の思い出を、26号車のミニカーを手に、うれしそうに話してくれた。


>>ボディを貫通するブリーザーホースは燃料タンクのエア抜き用。この1600GTが本物のレースカーだったあかしだ。
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主要諸元 SPECIFICATIONS
1967年式 トヨタ1600GT GT4

■ボディ:アルミ製ボンネット&トランク、アクリルウインドー(左右、リア)、レース用安全燃料タンク
■︎エンジン:9R型(1740㏄)、ハイコンプピストン
■吸気系:ソレックス44PHH
■︎排気系:φ42.7mmタコ足+φ50mmマフラー
■点火系:セミトランジスターイグニッション
■冷却系:レース用オプションオイルクーラー+オイルポンプ追加
■駆動系:純正4速、LSD
■︎サスペンション:(F)コニ、強化スタビ、延長ロワアーム (R)TRD+レース用
■︎ブレーキ:(F)SR311用キャリパー+14インチディスク (R)アルフィンドラム
■タイヤ:ヨコハマ アドバン・ネオバ 185/60R14
■︎ホイール:RSワタナベ F:6.0J×14 6.5J×14
■︎インテリア:オートルック・ バケットシート、4点式ロールバー

【3】へ続く

初出:ノスタルジックスピード vol.024 2020年4月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 トヨタ1600GT GT4(全5記事)

TEXT:HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

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