ハコスカGT+TC24【後編】|時がたつほどに価値が増す、オリジナル重視のスタイリング|1971年式 スカイラインHT 2000GT+TC24-B1Z+OMEX+F-CON V Pro

OS技研のTC24-B1Z。ワイズ・スタイルによってストリート向けに調教された、L型最高峰のパワーユニットだ。

       
【前編】から続く
日産のハコスカにOS技研のTC24-B1Zを搭載。そんな最高のコンビネーションで製作されたワイズ・スタイルのKGC10スカイラインは、「ストリート最強仕様」がコンセプトだ。そのリメイクメニューを見ていこう。

【71年式 スカイラインHT 2000GT+TC24-B1Z+OMEX+F-CON V Pro 後編】

【画像24枚】オリジナルの味わいをキープしつつ、快適性を高めた室内。バケットシートでも乗り降りはスムーズ。

リメイクの主役となるのが、新たなパワーユニット、OS技研の「TC24‐B1Z」だ。

燃料供給には、シビアな調整が可能なインジェクションシステムを採用。点火はダイレクトイグニション化し、電子制御でマネジメントすることで、ストリート仕様に不可欠な環境に左右されない安定した始動性と動力性能を得ている。
コントロールユニットは、山地さんが深く精通するHKSのF‐CON V‐Pro。ECUのセッティングでは、レブリミットをあえて8000rpm程度に抑えているところが最大のポイントだ。

「ストリートで、9000rpm以上回せるシチュエーションなんてほとんどありません。それなら、レブミットを抑えて、エンジンの耐久性や扱いやすさを高めたほうが、オーナーにとっては断然メリットがあります」と、その狙いを山地さんは語る。

なおレブリミットを抑えても、エンジンの性能に物足りなさを感じることはない。パワーもレスポンスも、そして排気音も、すべてがサーキット仕様と同様に官能的なのだ。

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「要はセッティング次第。フルコン制御なら、エンジンの過渡特性を含めて味付けは自在です」とワイズ・スタイルの山地さんは、電子制御の優位性に太鼓判を押す。

ちなみにこのハコスカの排気システムには、あえてメタルキャタライザーを備え、環境にも配慮した。それでもエキゾーストノートは、レーシングパフォーマンスのTC24ならではの快音だ。これもまた、緻密なセッティングが可能なフルコン制御だからこその成せるワザなのだ。

駆動系では、エンジンの搭載角度に合わせて組み込んだ、6速MTの加工が最大の難所だった。オリジナルのサスペンションは、TC24のパワーを受け止められる強度を確保しつつ、乗り心地にもこだわったしなやかな動きが自慢だ。ステアリングラックはラック&ピニオン化され、ステアリングフィールも、今時のクルマと変わらない。

一方、インテリアはオリジナルのノスタルジックな雰囲気を保ちつつ快適性を高め、コンセプトを具現化した。タコメーターは、純正デザインにして10000rpmを計測可能なハイスペック仕様。ステアリングシステムはパワステ化し、シートは運転席、助手席ともにヒーター内蔵タイプのレカロRCSに交換。機能や操作性の良さも、旧車とは思えない設定となっている。

「夏に向けて、クーラーを搭載する予定です。快適性はさらに高まりますよ」と山地さん。
 旧車にとって苦手な夏も、完全克服できる内容だ。ワイズ・スタイルが具現化したストリート最強仕様のこのハコスカには、死角はない。

TEXT : ISAO KATSUMORI/勝森勇夫 PHOTO : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)  COOPERATION : Y’s STYLE/ワイズ・スタイル

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