「パブリカですか?」ガソリンスタンドなどでよく声をかけられます【3】1968年式 ダイハツ コンパーノ 1000 GT

SOLEXからWEBERへ ワンオフパーツでインストールされた吸気系

       
美しいベルリーナに搭載されたスパイダーのスポーティーエンジン。セダンスタイルながらホットモデルとして登場したコンパーノ1000 GTだ。優美なイタリアンデザインは当時の走りを忘れることなく、長きに渡ってオーナーとともに歩み続ける。

【1968年式 ダイハツ コンパーノ 1000 GT Vol.3】

【2】から続く

「ガソリンスタンドなどでよく声をかけられます。コンパーノを知らない人が多くて、パブリカですか? とか、外車ですか? といわれますね。ダイハツのクルマですよ、という話をすると、こんなクルマがあったんですねって、みんな驚いていますよ」

 十分なパワーと美しいスタイリング。珍しいクルマだけにノーマルスタイルをキープしながら、自分好みの程よいチューニングをほどこす。これでオーナーにとっては十分に満足なのだ。強いて言えば「足回りのリフレッシュをしたい」というが、特に急いでレストアする予定もないという。そんなフランクな接し方が、クルマと長く付き合うコツなのかもしれない。実はこのGT以外にもコンパーノバンを所有しているという。デザイナー「ヴィニャーレ」がデザインした、コンパーノの原点となるクルマだ。美しさ、走り、その両方を手に入れたオーナー。この魅力的なコンパーノから当分離れることができなくなっているのは言うまでもないことだろう。これからもしばらくはその付き合いが続きそうだ。

>> 【画像15枚】シートは張り替えられているがノーマルスタイルを維持。クロスレシオのフルシンクロで、スポーツ走行をサポートするフロアシフトなど



>> キャブレターは純正のソレックスからイタリア製ウエーバー40DCOE18に交換されている。その際、インテークマニホールドをワンオフで製作。エンジン自体はノーマルだがオーバーホール時には、ピストン、バルブ、シール類の入手に苦労したという。ヘッドは部品取り車から移植している。


OWNER

ファミリア1300クーペ、ローレス1800GLと乗り継ぎ、偶然にもコンパーノ1000GTを手に入れたオーナー。その後、大切に乗り続け、気づけば40年が経過していたという。週に1回はクルマを走らせるように気をつけているそうだ。他にもバンを所有し、珍しい2台のコンパーノに乗っている。珍しさゆえに声をかけられることも多いとか。地元の旧車クラブにも所属し、仲間と一緒にクルマを楽しんでいる。




1968年式 ダイハツ コンパーノ 1000 GT(F402)

SPECIFICATIONS 諸元
■吸排気系:ウエーバー40DCOE18、ファンネル自作、インテークマニホールドワンオフ、ステンレスタコ足φ30mm 
■サスペンション:(F)KONIショック、(R)リーフスプリング加工 
■インテリア:シート生地張り替え 
■タイヤ:FALKEN SINCERA155/65R13 
■ホイール:カンパニョーロ・エレクトロン101 13×5.5J -19



初出:ノスタルジックスピード vol.021 2019年8月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 ダイハツ コンパーノ 1000 GT(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックスブックス)

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