25万8000km走破「ディーラーよりも、町の工場の職人さんが頼りです」走り続けているからこそ元気でいられる。|1966年式 トヨタ カローラ 1100 デラックス Vol.3

生産4000万台を誇る日本の大衆車。

       
【1966年式 トヨタ カローラ 1100 デラックス Vol.3】

【3】から続く

 乗っているうちに愛着が生まれてしまって、気付いたら50年経っていたカローラ。幸運にも大きなトラブルが起きたことがないという。

 ここまで調子がいいとドライブに行きたくなるのも当然。オーナーは、全国の郵便局と道の駅を巡る旅にカローラで出かけているそうだ。最近も大阪から青森や山形といった東北を走り、郵便局は全国2万4700カ所の半分、道の駅は1070カ所中804カ所をカローラとともに走覇したという。

 オーバーホールもレストアも受けずに現在までに走った距離は、実に25万8000km。73歳のオーナーも50歳のカローラも、走り続けているからこそ元気でいられるのだと、あうんの呼吸でカローラを操る姿を見ていて思わずにはいられなかった。



K型エンジンはカローラを皮切りに、この後スターレット、ライトエース、さらにフォークリフトでも使われるほど長寿ユニットとなる。初代K型は8バルブのシングルキャブ。日産のA型が3ベアリングだったのに対し、K型は5ベアリングと、排気量以外の面でも優位性を保った。





型式プレートは、バルクヘッド中央部に装着される。


>>【画像18枚】「花の冠」を意味するカローラだけに、フロントグリルのエンブレムは頭文字の「C」と花で飾られる。ピカピカの状態を維持した細いタテ型グリルなど


OWNER/現在はディーラーよりも、町の工場の職人さんが頼りです



 カローラのほかにハーレーダビッドソンも乗っているという元気なオーナー。「最近ではディーラーに昔のクルマを知っている人が少なくなってきているので、昔のクルマや技術を知っている町の修理工場の職人さんを頼ることのほうが多くなってきた」と、カローラ維持のためのコツを話してくれた。また、もしクルマが動かなくなったら、自宅に展示するプランも持つ。


1966年式 トヨタ カローラ 1100 デラックス(KE10D)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 3845mm
全幅 1485mm
全高 1380mm
ホイールベース 2285mm
トレッド前/後 1230 / 1220mm
最低地上高 170mm
室内長 1680mm
室内幅 1240mm
室内高 1125mm
車両重量 710kg
乗車定員 5名
最高速度 140km / h
登坂能力sinθ 0.405
最小回転半径 4.55m
エンジン型式 K型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量 1077cc
ボア×ストローク 75×61mm
圧縮比 9.0:1
最高出力 60ps / 6000rpm
最大トルク 8.5kg-m / 3800rpm
変速比 1速 3.684 / 2速 2.050 / 3速 1.383 / 4速 1.000 / 後退 4.316
最終減速比 4.222
燃料タンク容量 36L
ステアリング形式 ウオーム・セクターローラー式
サスペンション 前/後ストラット独立懸架リーフおよびコイルバネ / 非対称半楕円リーフ
ブレーキ 前/後ツー・リーディング式 / リーディングトレーリング式
タイヤ 前後とも6.00-12-4PR
発売当時価格 49万5000円


【4】に続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2016年12月号 Vol.178(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1966年式 トヨタ カローラ 1100 デラックス(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : AKIO SATO / 佐藤昭夫 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU / 清水良太郎

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