「人車同居」のカーライフ|1968年式 ホンダ N360 Vol.2

リビングから眺めたN360とガレージ風景。床がチェッカー柄となっているが、これはタイルやペイントでなくカーペットを使用。人間が暮らす部屋と同じ感覚で仕上げている。

       
「三つ子の魂百まで」のことわざどおり、幼少期の体験を実現してしまったガレージオーナーがいる。1968年式ホンダN360のオーナーだ。ミニカーで遊んだ記憶が実車のイメージとなり、現物を手に入れ自宅で大切に保管するというカーライフ

【1968年式 ホンダ N360 Vol.2】

【1】から続く

「免許を取って自分で運転できるようになると、やっぱりホンダNが欲しくなってしまいまして……」
 見ればリビングルーム、ガレージのいたるところに膨大な数のミニカーがところ狭しと飾られている。やはりホンダNが目立っているものの、それ以外の数も半端ではない。

「ミニカーコレクションは、私より兄のほうがすごいんです。控えめなほうですよ」と奥さまを前にしてか、少々および腰な発言だったが、奥さまいわく
「いつの間にか増えて、プラモは作らず箱積みの状態なんですよ」と牽制球。

 オーナー、これまでに国産車や輸入車を数台乗り継いできたというが、ホンダNから目が離れることは一切なかったという。


▶▶▶【画像18枚】眺めるオーナーの表情が自然とほころぶ。あまり激しく遊びすぎたせいかNⅢの右フロントには大きなキャンバー角が。そんなオーナーのクルマ原点のホンダNⅢのミニカーなど


「生活の足には、別のクルマを使っています。Nは家族ですが他のクルマは便利な実用の道具という感じですね」

 この話を横で聞いていた奥さまが、こんなエピソードを付け加えてくれた。

「家を新築するとき、図面の中央に何か意味不明のスペースがあったんですよ。フリースペースのようにして使えるのかな、なんてその時は深くは考えなかったんですが、聞けばNの置き場所だというじゃないですか。エッ、てな感じですよね」


【3】に続く



ガレージの扉は密閉度が高くホコリの侵入防止に効果がある観音開きを採用。スライド式やシャッターはどうしても効果が落ちるという。





ガレージ内の雰囲気がオーナーの「隠れ家」と同じことに気づかされた。なるほど、オーナーのパーソナルスペースはここにもあった。ちなみにカレージには専用エアコンも。





リビング&ダイニングの横に設けられた「男の隠れ家」? 三面をミニカーやポスター、プレートで飾り付け、雰囲気は十分。



【3】に続く

初出:Nostalgic Hero 2016年 2月号 vol.173(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 ホンダ N360(全3記事)

関連記事: ヒーローの棲むガレージ

関連記事: N360

text & photo : AKIHIKO OUCHI/大内明彦

RECOMMENDED

RELATED

RANKING