タイヤメーカーの熾烈な戦い!SUPER GT2024開幕戦

MOTOR THINGS 2024/05/01

GT300のトップタイムをマークした65号車LEON RACING AMG

       
今年30周年を迎える国内最高峰ツーリングカーレース『SUPER GT』の開幕戦が4月の13、14日に岡山国際サーキットにて開催された。

予選日は気温27度、路面温度36度の季節外れの陽気の中で迎えた。今年から予選フォーマットが大きく変更され、合算タイム方式で行われる他、Q1、Q2で使えるタイヤが1セットになったことにより、Q1を走るドライバーはQ2を見越してのアタックが必要となる。


Q1グループAでは今年初参戦の45号車PONOS RACING フェラーリ296が2番手、88号車JLOC ウラカンEVO2が4番手を獲得。Q1グループBではP2に65号車LEON RACING AMGが2番手、P3に7号車BMW M Team Studie x CRS BMW M4が3番手、5番手に87号車JLOC ウラカンEVO、6番手に6号車Team LeMans フェラーリ296、7番手に4号車GOODSMILE RACING & TeamUKYO AMGが食い込み、合計7台の欧州車が、各グループ上位8台、計16台がポールポジションを争うUpper16へ駒を進めた。


Q2Upper16では10分間のセッションの中、残り5分を切ったところで65号車AMGがトップタイムを記録。強豪チームである61号車スバルBRZや2号車GR86がセッション終了ギリギリまで周回を重ねるも、65号車AMGのタイムへは届かず。全チームがQ1で使用したタイヤを履くため、ほとんどの車両がQ1に比べタイムダウンをする中、65号車AMGが0.1秒タイムアップの1:52.198をマークし2年連続となる開幕戦ポールポジションを飾った。2番手につけた同じくブリヂストンタイヤを使用する2号車86とは0.067秒差という白熱した争いとなった。


5番手に7号車BMW、6番手に4号車AMG、7番手に6号車フェラーリ、10番手に88号車ランボルギーニが続いた。

決勝を迎えた14日は気温26度、路面温度は39度と夏のような陽射しとなり、悪天候が波乱を呼んだ昨年とはうって変わりレース日和なコンディションの中、300km(全82周)にわたるレースが行われた。

GT500クラスは接触が見られたものの、GT300クラスともに快調なスタートを切ったと思われたが、1周目後半で22号車R’Qs MOTOR SPORTSのAMGと48号車GT-Rがアドウッドカーブで接触。またスタート直後に接触したGT500クラスの17号車がリボルバーコーナー立ち上がりでストップしてしまったため、SC(セーフティーカー)が導入される。ここで右リアタイヤにダメージを負った9号車AMGが、やむを得ずピットクローズのタイミングでピットイン。8周目にSCが解除された時点で65号車AMGが引き続きトップを牽引する形となっている。

25周目を迎えると各車ドライバー交代のため続々とピットインを開始。ここでイレギュラーな動きを見せたのはブリヂストンタイヤ勢だ。2号車GR86や52号車スープラがタイヤ無交換でのピットワークを実施することでピットでの時間を大幅に短縮することに成功した。今年から予選で使用したタイヤを決勝スタート時に使用しなければならないレギュレーションに変更されたため、前述の車両は予選、決勝を通して1セットのタイヤのみでレースウィークを展開していることになる。

各車がドライバー交代を行う中、トップを牽引し続けていた65号車AMGがGT300車両では最後となる54周にピットイン。ブリヂストンタイヤを装着する65号車だがタイヤ4本交換を行い3番手でコースへ復帰した。

64周目にダブルヘアピンで5号車MC86と61号車BRZが接触、スピンをした5号車のコース復帰が叶わず、FCY(フルコースイエロー)が導入される。66周目にレースが再開され、3番手を走行していた65号車AMGが2番手52号車スープラへ迫る。同じブリヂストンタイヤを装着する両者だが、フレッシュタイヤを履く65号車が70周目にオーバーテイクを決め2番手へ浮上。

レース残り7周でミシュランタイヤを履く7号車BMW M4が、52号車スープラへのオーバーテイクに成功。3番手に浮上する。

その後はクリーンなレースが展開され、タイヤ無交換にも関わらずコンスタントなペースでレースを展開した2号車GR86がトップチェッカーとなった。2位には65号車AMG、3位には7号車BMWが表彰台を獲得。4位に52号車スープラ、5位に31号車LC500hが続いた。欧州勢は7位に87号車ランボルギーニ、8位に88号車ランボルギーニ、9位に4号車AMGがチェッカーを受けポイント獲得となった。

上位5台のうち、7号車BMWを除く4台をブリヂストン勢が占める結果となった。

写真=南 博幸 Minami Hiroyuki / 鈴木華子 Suzuki Kako 文=鈴木華子 Suzuki Kako

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