2024年SUPER GTのプロローグとなる公式テストが岡山国際サーキット、富士スピードウェイにて開催

MOTOR THINGS 2024/04/11

       
2024年SUPER GTのプロローグとなる公式テストが3月16、17日に岡山国際サーキット、23、24日に富士スピードウェイにて行われた。



このテストはシリーズを運営するGTアソシエーションが主催するもので、1日で5時間以上の走行枠があることから、車両のセッティングを見るだけでなく、タイヤテスト、レースシミュレーション、ルーキードライバーテストなど、各チームが今シーズンの戦略を見据えながら走行を重ねる。今シーズンは予選方式の変更もあり、模擬予選も行われた。またピットビューイングなど観客向けのエクスペリエンスも展開され、両サーキットともに1万人以上が来場し盛り上がりをみせた。

今シーズンはトヨタ・ニッサン・ホンダの国内3メーカーにて争われるGT500クラスに15台、欧州・国内車両によって争われるGT300クラスに27台がエントリーを発表している。



GT300は昨年同様にランボルギーニ、BMW、メルセデス AMGのエントリーに加えて、フェラーリ、アストンマーティンが新型車両を投入しSUPER GTに戻ってきた。フェラーリ 296GTは昨年までアウディR8を使用していた6号車 Team LeMansが車両をスイッチ、45号車 PONOS RACINGが新規参戦する。アストンマーティン ヴァンテージでは777号車 D’station Racingが4年ぶりとなるSUPER GTへの参戦となる。

また、SUPER GTでは2030年までにCO2排出量の半減を目標に掲げており、昨年からGT500で使用されていたカーボンニュートラルフューエル(合成燃料)GTA R50が数回のテストを経て、今シーズンからGT300でも正式に導入されることとなった。




そして今シーズンから予選方式が大幅に変更となった。従来はQ1(Qualify1)で上位に着いたものだけがQ2(Qualify2)に進み、Q2出走チームのみがポールポジション及び上位グリッドを争う、言わば勝ち抜き戦であるノックアウト方式(シュートアウト方式)が導入されていたが、今年からはQ1、Q2それぞれ別ドライバーが担当するのは従来通りに、それぞれの枠で出たベストラップを合算し予選順位の決定となる『タイム合算方式』が採用されることとなった。

GT500は前述のまま順位決定となるが、参戦台数の多いGT300ではコース上の混雑回避のためにグループ分けが行われており、まずはQ1グループAが出走、後にグループBが出走しそれぞれのグループでタイムを出す。次にQ2に駒が進むが、ここでグループ分けはQ1各グループ上位8台の計16台がQ2グループ1(Upper)とされ、Q1各グループ9位以下の下位勢がQ2グループ2(Lower)となる。Q2でそれぞれのタイムが確定した後、Q2グループ1(Upper)上位12台はその順位でグリッドが決定、Q2グループ1の下位4台はQ2グループ2(Lower)上位4台とタイム差で順位を入れ替える特別ルールが適用される。Q2グループ2(Lower)5番手以下の順位はそれぞれのタイム順となり、グリッド決定となる。なお、Q1のグループ分けについては前戦までのポイントランキング等を考慮し行われる。雨天時などは例外ルールが適応され、Q1のタイムでQ2のグループ分けを行い、Q2のみのタイムで予選順位が決まる。

また、使用できるタイヤのセット数も今シーズンから変更され、予選で使用できるタイヤは1セットのみとなり、予選中の変更は認められない。そして予選で使用したタイヤは決勝スタート時での使用が義務であるため、翌日のレーススタートを見越したタイヤの選定が必要となる。

今シーズンも国内全8戦を繰り広げるSUPER GT。開幕戦は4月13、14日に岡山国際サーキットにて開催される。

写真=南 博幸 Minami Hiroyuki / 鈴木華子 Suzuki Kako 文=鈴木華子 Suzuki Kako