【円熟のショービルドエンジン!!】ヤンチャな和風仕様とUSテイストをミックスさせた“独創すぎる”スカイライン ジャパン

当時物和製エアロとUS小物など、和洋折衷アイテムが集結するスカイラインセダン(GT-EX)

       
定番旧車スタイルに背を向けたニューエイジによる孤高のジャパン!!

【画像11枚】ポリッシュ&メッキ仕上げのL型ショービルド、3Pのアメ鍛リムをバラして組み直すこだわりの足元、当時物和製エアロとUS小物の和洋折衷アイテムが集結するフォルムなど、気になる詳細はココから!!

父親の知り合いが持っていた縁で、初めて乗ったのが小5のとき。
それを運転免許取得時に譲ってもらい、以来12年の長きに渡って“ジャパン”こと5代目スカイラインに乗り続けているオーナー。

オーナーはアメリカンカルチャー大好きっ子ちゃんであるため、イベントデビュー当時はド派手丸出しのL型エンジンをNOSでドーピングするという過激極まりないスタイルで世間を圧倒していたが、時が経つにつれてシンプルさに開眼。
和洋折衷の塩梅がジャストでドンピシャな、絶品旧車へと様変わりしている。

ワイヤータックとスムージングの限りを尽くし、露出する楽しみに目覚めたエンジンベイは、パテ埋めとボディ同色を使って仕上げられたこの上ない美空間だ。

そのド真ん中に居座るのは、名機L28型改3リットルエンジン。
メッキをかけたヘッドカバーやマウントとの調和をとるべく、ウェーバーの3連44DCOEキャブは、オーナーが自分の指紋と引き換えにポリッシュされまくり、逆にN42ブロックやホース類はブラックで統一するなど、メリハリの効かせ方がハンパないのだ。

そこから目線を引いてボディ全体を見渡すと、ブルーパール入りのボディカラーに前期顔&オケツ移植、ボルクのフロント&ヒロのトランクスポイラーといった和物アイテム、USへの憧れを匂わせる他車の輸出用エンブレム&マーカー移植、ハイドロによる低車高、バラしてメッキがけにしたロティフォームのホイールと、ガワの武装も完全カンペキ。

こうなりゃ室内だってリアシートをデリートしてロールケージを組むなど、やりたい放題が止まんなぁーいっ!
「まだまだやりたいことがあるんで、完成予定は十数年後ですね」と、笑うオーナー。

終わりなき旧車道の行く末がどうなるのか?
乞うご期待すぎるぅ!!



>>ダッツンコンペをオマージュしたNRGのステアリング、オートメーターのタコメーター、ブリッドエクサス3フルバケシート、タカタのハーネスが室内を彩る。シルビア用のミッションを使っているため、シフトノブの位置がちょい後ろにズレているのも見逃すな!


>>リアシートは取り除かれ、代わりにサイトウロールケージ製6点ケージがクロスバーやサイドバーのオプション付きでリアスペースを占拠中。黒内装にピッタリな白色にしたのもナイスセンス☆


>>’80年型のジャパンは後期になるので、本来は異形の角2灯ライトがデフォルト。しかし、その筋では前期丸4灯のほうがウケがいいらしく、購入時に既に前期型へのフェイスチェンジが行われていたそーだ。ブルーパール混じりのボディカラーは、光が当たるとキラッと輝く段取りに。


>>パテ埋めされたヒロのトランクスポイラーなど、エアロ類は当時物の和製パーツでコーディネート。リアトレーにパイオニアのTS-X60スピーカーを置くのも当時の作法に従ったものだ。対する小物はS30フェアレディZや510ブルバードで使われていた前後マーカーにダットサン720用ドアミラー、オーストラリア向けリアガーニッシュなど、昭和の日産輸出用パーツをセレクトする。


>>亀有のエキマニの後ろから出口まで、ワンオフしたフルチタン(!)のフルデュアルφ50mm管を引いている。


>>「4本スポークが好きなんですよね〜」ってことからロティフォームGTBの15インチ(フロント:7.5J OUT6、リア:8.5J OUT6)をトーヨープロクセスR888R(195/50R15)に組み合わす。当然ツルシのまま履くよーなヤボなマネはせず、3ピースをバラしてディスクにクロームメッキをかけ、リムのポリッシュとの質感の違いを愛でるのであった。バラした際にリムを90度ズラし、バルブの位置を時計の9時の位置から6時の位置に変えるコダワリも含み済み。ウィルウッドの4ポットキャリパーは、黒地に白ロゴだったものを白地に黒ロゴに反転させている。


>>「パテ埋めしたエンジンベイを衝撃から守るため」と「ローライダーが好き」という2つの理由があれば、サスにハイドロを選ぶのは当然のこと。スキッパーの1P1B4アキュムをスペアタイヤのスペースに収めきる。足のほうはフロントにダブルシリンダー方式を採用している。


>>ムダな配線やデコボコは一切ナシ。まるでエステ帰りのよーなツルスベエンジンベイにしこたま驚いてもらって全然OKだ。肝心カナメのエンジンは、L28型を亀有の89mmピストンで3リットル化。速さのほうもお墨付きってワケだ。アルミのワンオフラジエーターやウィルウッド製ブレーキシリンダーも、シブ〜い光を放ってますゼ。


>>オーナーがシコシコ磨い抜いた原田商会のインマニと、ウェーバー44DCOE3連キャブのコラボ。


>>この写真の見どころは、メッキのオルタネーター&エンジンマウント、そして、黒塗りのN42ブロック! オールブラックのメッシュホースとプラグコードにより、シンプルさのレベルが2段階上がったと見ていい。


>>2021年12月に開催されたヨコハマホットロッドショーにて“ベストドメスティックアワード”を受賞した経歴はダテじゃない。エンジン関係に使うボルト類をすべてARP製に交換する、マニアックでコストのかかる一手もしかと打っているのだから。

【画像11枚】ポリッシュ&メッキ仕上げのL型ショービルド、3Pのアメ鍛リムをバラして組み直すこだわりの足元、当時物和製エアロとUS小物の和洋折衷アイテムが集結するフォルムなど、気になる詳細はココから!!


『カスタムCAR』2022年3月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:スカイラインセダン(GT-EX)/1980年型
SOURCE:K’s TRADING、GARAGE KOIKE、SKIPPER

PHOTO/平野 陽 TEXT/佐藤アキオ(rsf)

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