【グランエースを速攻マジカスタム】海外仕様のテールスワップで唯一無二のスタイルに!

       
時は2019年。次期ハイエースと言われる300系ハイエースが、フィリピンを皮切りに、東南アジアを中心として販売を開始した。その際、「日本国内でのバンモデルの発売はない」とトヨタから正式アナウンスされたが、逆にワゴンモデル発売の可能性を残した。同年5月には台湾で300系ハイエース・ワゴンとも呼ぶべき「グランビア」が登場。結果的にこのモデルが12月に日本国内でリリースを開始した「グランエース」となったのは周知のとおりだ。



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こうしてフルサイズワゴンとして日本市場に登場したグランエース(※1東南アジアにおける300系ハイエース&台湾のグランビア)は、「デカすぎる」「完成されすぎていてカスタムできない」「そもそもハイエースではない」と、ハイエース専門メーカーからもミニバンメーカーからも敬遠される存在となりつつあった。しかし、100系時代からハイエースひと筋、レガンスの寺西代表は、「日本で発売される」とウワサされた時点でカスタムを決意。月産50台という極端に少ない生産台数も「すでに東南アジア諸国でグランエース(※1)は走っていたので、日本市場はもちろん、海外の富豪がレガンスエアロを付けたグランエースに乗っている姿を見てみたい」とポジティブに捉え、開発をスタートさせた。

手始めに計画したのは、レガンスの歴代デモカー同様、エアサスの装着だ。2020年1月中旬、納車日にディーラーから直でボルドワールドに入庫し、2020年2月中旬の大阪オートメッセ出展を目指し、急ピッチでカスタムをスタート。しかし、メッセ会場で披露されたのは仮の姿であり、カスタムの核は別にあったのだ。それは、だれもが思いつかなかったリアゲートのカスタムであった。



ここで改めて2020年の大阪オートメッセ出展時の外装メニューを確認しておくと、フロントアンダースポイラー、マフラー、エアサス、3ピースホイールだ。たった1か月でここまで仕上げたのは脱帽モノだが、J社長が考えるグランエースカスタム計画は別にあった。昨年6月に台湾のディーラーで300系ハイエースとグランビア(=日本仕様のグランエース)が並んでいるのを見たときに、リアに強烈な違和感を覚えたのだ。「リアはグランビアではなく、絶対に商用モデルの300系ハイエース・バンのほうがカッコいい」と。ここがグランエースカスタム始動の起点となったのだ。


>>グランエースのノーマルのリア。テールランプはミニバンちっくな内側に食い込む形状となる。


>>こちらは海外版ハイエースのリアビュー。テールランプはハイエースやキャラバンと似たような縦長形状。パネルバン、かっこいいかも。

さらにカスタムの追い風となったのが、国内のグランエース用ではなく、300系ハイエース用テールランプがヴァレンティから送られてきたこと。すると早速台湾からグランビアのリアゲートを超特急で取り寄せ、早速カスタムを開始させた!
最大の難関は、300系ハイエースはテールランプがかなり縦長のため、グランエースのコーナーパネルの加工が必要だったこと。さらに、クロームのリアガーニッシュは台湾で入手不可だったため、香港から取り寄せ。また、リアゲートは重さが違うため、パワーバックドアキットをタイから仕入れた。これでほぼ完成というところで、リアガラスの色が合わないことが発覚し、急遽ガラスを移植させるなど、ハプニングが続出(泣)。
こうして、数々の難関をクリアして300系ハイエースのリアを持つ、世界に1台だけのグランエースが完成。まだ目にする機会の少ないグランエースだけに、わかりずらいこのカスタムは、今後「ジワる」こと間違いナシ!!




『カスタムCAR』2020年5月号掲載
BASE CAR:グランエース・プレミアム 2020年型
SOURCE:ジェイクラブ(レガンス)

PHOTO/南井浩孝

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