【超絶レストモッド・キャロル】ハーレー用Vツインを宿すホットロッドマシン!

       
想定外の小さな大物をご紹介!! ちっこくてカワイらしく、それでいてワイルドかつ男前なルックスを放つこの1台は、昭和30年代後半にデビューしたマツダの初代キャロルがベース。

その面影こそとどめているものの、純正サイズの10インチから大幅インチアップされたレーシーな足元や、ワイド化されたオーバーフェンダーなど、外観に大幅なモディファイが施されているのは言わずもがな。しかも深みのあるソリッドブラックと黒レザートップで仕上げられたボディやメッキパーツの光沢たるや、ショーカー級のクオリティによるレストア&カスタム済みなのは、一目瞭然といえるだろう。

が、初代キャロルなのは、あくまでガワのみで、中身は別物へとアップデートしているのは、そのただならぬ雰囲気で察知。しかも、そのレベルたるや、日本のアメリカンカスタム界に一石投じるほど、ショッキング級の超絶ファブリケーションが全身に注がれているのだ。

スチールで完全ワンオフのオバフェンで収めたフロント15"/リア16"の大径リムは、アメリカに特注したアルミビレットの一点モノ。足回りも当然ながら本来のキャロル純正とはまったくの別物で、サブフレーム一体型のF:ダブルウィッシュボーン/R:シングルウィッシュボーンの4独サスに激的進化を遂げている。

そして日本のカーカスタムの固定概念を打ち破る衝撃のカスタムワークが、後ろのエンジンフード内のスワップ心臓。狭いリアデッキでアルミポリッシュの輝きを放つそのエンジンとは、なんとハーレーダビッドソン用のVツイン!! 空冷V型2気筒で、排気量1584㏄の高年式ハーレーのTC96エンジン。昭和の軽にアメリカンバイクの王道の強心臓をブチ込んだ日米混血の比類なきベビーモンスターなのだっ!!

【画像7点>>キャロル360のディテールをCHECK!!】



>>クリフカットと呼ばれる直立したリアウインドーを特徴とする屋根は、黒のレザートップ張りで昭和レトロな雰囲気をプラス。リア回りはエアスクープを追加したエンジンフード&ロワラインを作り替えたバンパーレスのテールデザインなど、匠技のメタルワークが見えない部分までテンコ盛り。



>>アップデートされた足回りによるワイドトレッド化に合わせたオーバーフェンダーは、4mmの丸棒でフォルムを造形。その骨組みに合わせて0.8mmの鋼板を切り張りして具現化したメタルワークのタマモノ。



>>ワンオフハブでP.C.D100の5穴化した足元には、F:15×6J/ R:16×8Jの前後異径のビレットホイールを装着。バイク用ホイールを別注しているアメリカのコロラドカスタム社に依頼したスペシャル品。




>>トランクからチラ見えするエンジンは、アメリカンの王様ハーレーダビッドソンのVツイン!! 選び抜いたユニットは’07ソフテイル用の排気量1584㏄のTC96(ツインカム96)で、クランクシャフトの振動が少ないバランサーシャフトを採用しているのがチョイス理由。



>>バイクのカスタムシートで名高い「バックドロップレザーズ」の協力のもと、骨組みをリビルドした純正改のフロントシートや内張りなどをブラックレザーで張り替え。



>>徹底したレストアと繊細なメタルワークが注がれたエクステリアは、黒の中の黒をいく“純黒”で全塗装している。


『カスタムCAR』2018年2月号掲載
BASE CAR:キャロル360 1962年型

PHOTO/南井浩孝 TEXT/金 秀樹

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