【プライベーター“イナズマワークス”による美しき快作】走り屋テイストにスタンス美学を加えたAE86

       
こちらに登場するのは「頭文字D」の拓海号と同じAE86白黒パンダトレノ(前期3ドアボディ)。エンブレムやレインモールもバッチリそろえ、新車時のディテールを完璧に再現。しかも、ベースはデビュー年である昭和58年製造のド初期GTアペックスというお宝物だ。そんな1台の足元は不変の定番ロンシャン履き! しかも、ありえない極太&鬼キャン化!!  さらにさらにエンジンベイは従来的な走り屋の固定概念を覆すビジュアルを披露しつつ、パフォーマンスまでも両立。そんなハチロク・トレノがプライベーター“イナズマワークス”が手掛けたコイツだ。


内外装はストック重視で、心臓はFF駆動のAE111系から頂いた5バルブ仕様の4AーGを縦置き化。メカの師匠と共に組んだカリカリの心臓やハルテック制御の点火システムetc、王道メニューを抜かりなく押えたのもツボだ。が、その真骨頂は、スタンス系ショーカーとして純和製ホットロッドへと昇華させた美観。緻密な鈑金ワザでシェイブされたエンジンベイや、ワンオフタコ足、アルミプーリー等、金属パーツすべてが美しい光沢を放ち、もはや芸術の域!!



そしてDIYの達人を裏打ちする妙技が、S15シルビアのマルチリンクサス移植による4独サス化だ。足回りは日正タイヤの車高調と大澤商会の調整式フルアームをワガママいってスペシャルな数値で特注し、XR4当時モノ15インチの深リムAタイプF:9J/R:10Jの前後アウトセットでIN!  通常では絶対収まるハズないオフセットゆえ、多くのAE86乗りの目には、アンビリーバボーに映ること間違いナシだ。


ストックの味わい、チューニングの魅力、カスタムで魅せるショーカービルド。それらを三位一体の合わせ技で見せつける力量は、やはりAE86を骨の髄まで熟知した超マニアならでは。走り屋からスタンスファンまでを納得させる力作だ。

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【『カスタムCAR』2017年10月号掲載】

BASE CAR:スプリンタートレノ ’83年型

PHOTO/南井浩孝

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