ベテランのオーナーがワッパを握る馬場商店は、全国各地の鮮魚問屋へ活きのいい魚を届ける活魚車。個性と美しさと実用性の3拍子をそろえた秀作車だ。
沖田板金で新調した舟型バンパーは、厚さ53cmの肉厚仕様で、前面に白銀社がこしらえた「赤地×金文字」の名文句アンドンを収めるほか、側面には緑のナマズマーカー×3発を装着。黒塗りキャブや、日野車をもじって「火の車」と刻んだウイングマークと相まって、周囲に精悍なビジュアルを振りまいている。またキャブトップには、前面に緑のマーカーを並べた平型バイザーと、菱抜きデザインをあしらったコの字型ミラーステーを装着。フロントスクリーンで異彩を放つ“顔は恐いが心はオクテ”のユニーク文句も見逃せないビューポイントだ。
一方のボディ回りは、フェンダーとのスムーズなつながりを実現する2段サイドバンパーが見どころ。ボトムに収めたクーラーボックス×2基のカバーも「パンチングステンレス+鏡面」でセンスよくコーディネート。10ⅿ×3本の給水ホースや酸素ボンベをフレームエンドの内側に収納するなど、仕事での使い勝手に配慮したアート・ワークも秀逸。優れたトータルバランスで一目置かれている。
【写真6点】個性と美しさと実用性が三位一体。カミオン2012年11月号トップアートをもとに再構成