仮設材を運ぶオーナーの愛車は、全身を上質のウロコステンレスで武装したレトロムード満点の秀作車。マルイ商会と白銀社という二大名工の手腕が光るスタイルが絶品だ。
注目のキャブ周りは、旧型のレンジャーグリルや、ウロコステンレス素材のバスバンパー、330ヘッドライトなど、フェイス周りのコーディネートが秀逸。奥さまと二人の愛娘の名前を刻んだ山型アンドン&弁当箱が功を奏し、盤石の昭和スタイルを作り上げている。また、マルイ商会ご自慢のウロコステンレスバイザーや、伝統的な東北流のエッセンスを盛り込んだシートキャリアなど、アッパーセクションにも古き良き時代のアート手法を満載。ビジネスライクな商用車の純正ラインを消し去るべく鉄板でフルスムージングした左右のドアは、クリーム色の塗装もオリジナリティ満点で、「黒塗り+7色ラメ」で統一したフロントパネルとの美しいコントラストを実現している。
一方、キャブ周りと同様にレトロ気分なスタイルを追求する荷台周りは、アオリ3面をウロコステンレス素材で統一するほか、丸パイプを基調としたサイドバンパーや、シンプルルックなリアバンパーにもウロコステンレスを用いるなど、トータルバランスを重視したコーディネート展開。ケツブタには、地元にちなんで「歴史と文化の城下町」の文句を刻んでいる。なお、プロテク背面には白銀社の十八番となる七福神をペイントし、リアビューの魅力を昇華。360度どの位置から見てもいぶし銀のスタイルが堪能できるこのクルマは、各パーツの工作精度の高さもピカイチ。目の肥えたレトロファンも間違いなく太鼓判を押すであろう1台だ。
【写真6点】全身を上質のウロコステンレスで武装。カミオン2010年3月号トップアートをもとに再構成