当初モダンアートを目指していたが、MK工業の力を借りつつ、徐々にレトロな雰囲気に変身。各パーツのデザインも個性的だが、パーツの製作方法もこれまたユニーク。多くの飾りが、ユーズドパーツをベースにリメイクされているのだ。しかもミラーステーからバンパー、ハシゴからフラッグポールなど、まったく別のアイテムへと生まれ変わらせている。アイデアとセンスが生み出したエコアートといえるだろう。
キャブ上で存在が際立つ高さのある3段ハチ巻きシートキャリアは、3枚のアンドンやマーカーを多投することでレトロ感を一層強調している。尾翼付きロケットを搭載した小ぶりなバイザーやトラスを組んだミラーステーとともに、華やかなトップパートを築いている。一方、フロントフェンダー、サイドバンパー、リアフェンダーは丸パイプとウロコステンレスを使用しており、両端や角にはRをつけることで全体のスタイルに統一感をもたらしている。
さらにマナブ工芸の色彩豊かなペイントやドルフィントレーラグリルなど、味わい深いディテールアレンジをプラス。懐かしさと個性を併せ持った珠玉のパーツで全身を装い、唯一無二の存在感を放っている。
【写真6点】リメイクとセンスで独創性を開拓。カミオン2012年12月号トップアートをもとに再構成