開放感を際立たせるために開発されたリアドア・ビルトイン・シートベルト【2】1988年式 マツダ ペルソナ 2000 DOHC タイプB

圧倒的な開放感は、ピラーレスハードトップならでは。ビルトインシートベルトも効果絶大だ

       
【超実力派宣言 1988年式 マツダ ペルソナ 2000 DOHC タイプB Vol.2】

【1】から続く

 特徴的なペルソナのインテリア。直線と鋭角的なラインを避け、まろやかなラインとフォルムによる設計を心がけたという空間は、インパネからフロントドア、リアドア、リアシートと連続感を持たせた造形。リアシートは新感覚のラウンジ型ソファーシートで、上級グレードに二つ折りのアームレストクッションが付属されているのも新しい試みだ。また、包み込むような一体感を出すために、センターピラーをリアドアトリムで覆うといった工夫も採用。そして、デザイン性もさることながら質感の高さも秀逸で、シートやインパネ、ドアトリムは手縫い仕上げとし、縫い目のテイストを強調しているのである。



 そのメカニズムもカペラ譲りで、エンジンは2.0L DOHCと1.8L SOHCを搭載。ミッションは4速ATと5速MTが全グレードで選べた。そして1990年3月にマイナーチェンジが行われ、1.8LエンジンをDOHC化し、運転席パワーシートが標準装備となった。

 ところで、みなさんはペルソナに兄弟車があることをご存じだろうか。1989年に開業したマツダの新チャネル、「ユーノス」からリリースされた300だ。ペルソナとの違いは内外装や装備で、エンジンなどのメカニズム系は同じ。エクステリアはフロントマスクとリアコンビランプ、リアスポイラーなどで差別化されており、ボディカラーも全色2トーンカラーを採用。一方インテリアでは、シートやステアリングの形状が相違点。現在は、ペルソナよりもレアな存在となっている。

>> 【画像20枚】ピラーレスハードトップの開放感を際立たせるために開発されたリアドア・ビルトイン・シートベルトなど。ラウンジ型のリアシートはとにかく斬新。リアドアからの連続性をもたせたデザインは、リビングのソファのよう。タイプBでは標準装備となるアームレストクッションなど



>> 左右ドアから流れるようにつながるインパネは、使用頻度の高いスイッチを配したメータークラスターが特徴的。ラップラウンド感を強調するために、センターコンソールは分離型。また、生活臭を排除するために、灰皿もオプションだった。





>> 本革シートは上位グレードのタイプBに標準。AT車には運転席アームレストも装備される。取材車両には、オプションのハーフシートカバーも装着されていた。





>> 2LFE型はハイオク仕様で140psを発揮。独自の可変吸気システムVICSやハイドロリックラッシュアジャスターを採用し、スムーズな回転フィールと優れた静粛性を実現する。一方ユーノス300の2LはFE-ZE型となり、150ps(MT)/145(AT)psをマーク。

1988年式 マツダ ペルソナ 2000 DOHC タイプB(MAEP)

SPECIFICATIONS 諸元
●全長×全幅×全高(mm) 4550×1695×1335
●ホイールベース(mm) 2575
●トレッド前/後(mm) 1460/1465
●車両重量(kg) 1250
●エンジン型式 FE型
●エンジン種類 直列4気筒DOHC
●総排気量(cc) 1998
●ボア×ストローク(mm) 86.0×86.0
●圧縮比 10.0:1
●最高出力(ps/rpm) 140/6000
●最大トルク(kg-m/rpm) 19.0/4000
●変速比 1速2.800/2速1.540/3速1.000
4速0.700/後退2.333
●最終減速比 3.700
●ステアリング ラック&ピニオン
●サスペンション ストラット(前後とも)
●ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
●タイヤ 185/70R14(前後とも)
●発売当時価格 227.3万円


【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 7月号 vol.36
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1988年式 マツダ ペルソナ 2000 DOHC タイプB(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : YOSHITAKA TAKAHARA/高原義卓

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