4ドアベースの2ドア仕様【1】FD3SやRX‐8以上の剛性感のボディ! クラシックカーレース参戦を目指す1台|1971年式 マツダ カペラ ロータリー 4ドア セダン

迫力たっぷりのフロントまわり。ヘッドライトをレーシングジャケットに交換しグリルを外せば、ほぼ当時のレーシングカペラと同じスタイルになる

       

4ドアセダンを2ドア化

ノスタルジックカーの盛り上がりと共に、近年非常に人気の高まっているクラシックカーレース。そんなクラシックカーレースに参戦すべくモディファイが施されたのが、三好自動車のカペラロータリー。当時のスタイルはもちろん、当時実際に使われていたパーツを可能な限り使用することで、往年のレーシングカーさながらのスタイルやサウンドを実現!

【1971年式 マツダ カペラ ロータリー 4ドア セダン Vol.1】

 初代カペラのロータリーモデルであるS122Aカペラロータリークーペ。当時、国内レースで無敵を誇ったスカイラインGT‐Rの連勝を阻止するべく、ツーリングカーレースに投入されたモデルだ。しかも、1971年8月に開催された「富士500キロスピードレース」において、寺田陽次郎選手のカペラがGT‐Rを抑えて優勝。この優勝を支えた12A型ロータリーエンジンはもともと、このカペラのために開発されたエンジンで、当時としては驚異の、15.7秒というゼロヨンタイムを誇っていたほどだ。

 そんなカペラロータリーを、レース参戦に向けたレーシングカーへと仕立て上げたのが、岡山県のロータリースペシャリスト「三好自動車」だ。ベース車は北海道から仕入れたにもかかわらず、サビや腐りが全くない極上の状態だったという。それをレーシングカーのボディ製作を多数手がけた実績を持つ「野原自動車鈑金塗装」にボディ製作を依頼。もとはセダンだったボディは、リアドアをスムージングして2ドア化。また要所にスポット増しを施すとともに、ロールケージの追加が行われた。
「クラシックカーというとくたびれてヨレヨレのボディをイメージしてしまいますよね。でもベース車が極上で、ヤレがほとんどなかったこともあり、製作後はFD3SやRX‐8以上の剛性感です。正直、自分たちでもびっくりしたぐらいです」と三好敏明さん。

>>【画像30枚】ボンネットキャッチの右側に燃料レギュレーターを設置。左右のストラットの前方には、ガセット補強が追加され、足まわりの剛性をアップしたボディなど




>> フロントアンダー両サイドの装着されたスポイラーの間に、セトラブのオイルクーラーを配置。街乗りだと、飛び石などでコアが破損する危険があるが、サーキット専用マシンのため冷却性能を最優先





>> 4ドアセダンをベースに、2ドアにコンバージョン。バンパーレスのスタイルがレーシー。







1971年式 マツダ カペラ ロータリー 4ドア セダン(S122A)


SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:RE344グリーン全塗装、FRP製フロントマスク/ボンネット/フロントスポイラー/フロントフェンダー/オーバーフェンダー、4ドアセダンベースの2ドア仕様
■エンジン:12A型ロータリー(573cc×2)
■吸気系:ウエーバー48IDA
■排気系:マツダスポーツキットマフラー
■点火系:MSD、永井電子機器製セミトラ
■冷却系:アルミ2層ラジエーター、セトラブ製オイルクーラー
■燃料系:ニスモ製燃料ポンプ、ホーリー製燃料ポンプ、オリジナルアルミ燃料タンク(56L)
■駆動系:OS技研製ストリートマスタークラッチ、マツダスピード製4速クロス/デフ
■サスペンション:オリジナル車高調 (F)10kg/mm (R)8kg/mm
■ブレーキ:IDI製ブレーキパッド(F)GT 1(R)D350
■インテリア:AEM製A/Fメーター、オートメーター製タコメーター、ブリッド製バケットシート、HPI製4点式ハーネス、6点式ロールケージ
■タイヤ:ダンロップ スリック 225-585-15
■ホイール:ワーク エクイップ40(F)15×8J -16 (R)15×8.5J -9





【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年11月号 vol.018
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 マツダ カペラ ロータリー 4ドア セダン(全4記事)

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text : SHINYA KUSHIURA/串浦愼哉 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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