天候に翻弄された大荒れの開幕戦|2023 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE

MOTOR THINGS 2023/05/22

4月15日・16日、岡山県は岡山国際サーキットにて開催された2023年SUPER GT開幕戦『OKAYAMA GT 300km RACE』は、不安定な天候に翻弄された波乱の幕開けとなった。

 

 雨に見舞われた予選では65号車LEON PYRAMID AMGが二番手に0.5秒以上の差をつけポールポジションを獲得。また3番手にはStudie BMW M4、4番手には88号車 JLOC、5番手には4号車グッドスマイル 初音ミクAMGと欧州車が上位に名を連ね勢いを見せた。 迎えた決勝日は天気予報では午後から雨と予想されていたが、「晴れの国」と通称されるだけに午前中から青空が広がりドライコンディション、気温は19度、路面温度は30度でスタートを迎える。フォーメーションラップが開始される頃から上空に厚い雲が広がり始め、レーススタート後10分を過ぎたころから状況が一変。雨粒が落ち始めたかと思う間もなく路面はフルウエット状態になり、6号車Audi R8が足元をすくわれグラベル上にストップしフルコースイエロー(FCY)が導入された。それとほぼ同じタイミングで他車もトラブルでコース内にマシンを停め、ひょう混じりの大粒の雨が降る中、FCYからセーフティカーラン(SC)に切り替えられる。

SC中にピットレーンがオープンとなり、ほぼ全車がピットになだれ込みレインタイヤに交換、この時のタイミングで上位陣のポジションが大きく変動する事になる。SC先導中から雨も上がり太陽が見え始めると路面は急速に乾きだし予想も出来ない展開に。レースの1/3が過ぎたタイミングで一部のマシンはスリックタイヤへの交換とドライバーチェンジのために再びピットへ向かう。そのままレースは進むと思われたが、再び雨が強く降り始めFCYが導入。51周目から再開するも、直後に9号車AMGと88号車ランボルギーニ GT3が接触しコース上にストップ。

またもやSC導入となるが、早々に赤旗中断となり近隣で落雷があったためとアナウンスが。強い雨が続く中、SC先導のもとレースは再開しピットレーンがオープンになると、GT500・GT300両クラスのほぼ全車がピットになだれ込みピットは戦場の様相に。しかし天候はますます悪化し再度赤旗が提示され60周目にレースは中断。雷鳴とどろく中そのままレースが終わるかとも思われたが、走行再開のアナウンスがされSC先導で走行再開。しかし、雨量はどんどん増すばかりで5分後に赤旗が提示。そのまま赤旗でのレース終了が決定となった。荒れたレース展開ながらも65号車LEON PYRAMID AMGが上位を守り2番手フィニッシュで開幕戦を終えた。

amg
刻々と変わる路面状況の中、粘りの走りで2位表彰台に上がった#65 LEON PYRAMID AMG。

bmw
DTM王者ブルーノ・スペングラーが今年からジョインした#7 Studie BMW M4。6位でレースを終え今後へのポテンシャルを見せつけた。

ランボルギーニ
天候変化のイレギュラーなピット作業もあったが、タイミングよく順位を上げ7位でレースを終えた#87 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3。

amg
今年もお馴染みとなった谷口・片岡ペアでチャンピオン奪還に挑む#4 グッドスマイル 初音ミク AMG。ドライブスルーペナルティに見舞われながらも9位チエッカーでポイントを獲得。

R8
レース序盤のコースアウトで大きく順位を落とした#6 DOBOT Audi R8 LMSは21位完走。次戦での活躍に期待だ。

Amg
上位を伺う走りを見せた#9 PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMGだったが、レース終盤に接触されウォールに激しくヒットしレースを終えた(完走扱いで23位)。

写真=南 博幸 Minami Hiroyuki 文=鈴木華子 Suzuki Kako