【スタイリッシュな軽アゲトラの作り方】マルティーニカラーのデカールに目をひく、細部のパーツやボディワークにまでこだわったアゲキャリイ

マルティーニカラーのデカールがインパクトのあるアゲ仕様のキャリイ

       
アゲトラのポイントとなる足回りはもちろん、各部のブラッシュアップで軽トラの常識を覆す!

【画像15枚】アゲ仕様の前後足回り、足回りの干渉を解消するボディメイクなど、スタイリッシュな軽アゲトラの作り方はココをチェック!!

イカした“軽アゲトラ”が増殖中! というムーブメントが、全国に波及し続けている。

というワケで、軽アゲトラの流行を牽引するエリア27の伊藤代表を訪ねると、相変わらず男心をくすぐるチョイあげのDA16キャリイが待ち構えていた。

キッカケは今から十数年ほど前。
「ロスに行った際にちょびっと上げた軽トラがサイドバイサイド的な感覚でダートを結構走ってて……。“コレいつか日本でやってやろう”って思ってたんです」

伊藤サンは、まずリフトアップから取り掛かっていったが、それが苦難の始まりだったという。

というのも、他社で作ってもらったキャリイ用のインチアップキットを装着したら、2000kmほど走ったところでストラットのピンが折れる始末。
これじゃあ危なっかしくて使ってられないと、他の手段を考えることとなった。

その後はスズキ車を見つけては足回りをバラし、キャリイに合うのかを検証。
アルトワークスのピロアッパーマウントを組み合わせれば、スイフトのショックで代用できることを探し出し、ワンオフで製作した。

ほかにも、タイヤのマッチングやらリアデフ対策やらで苦労しまくったのに、データや経験談を惜しげもなく披露(汗)。
SNS上(FB)で公開している解説講座『アゲトラの問題点! こうすればイケる!』は、かなりの公開回数を重ねるほどだ。

無償で公開している理由を尋ねると、「情報を囲い込んでいたら軽アゲトラが盛り上がらないじゃないですか!」と、自らすすんで軽アゲトラブームの普及に努めているのだ。

その手法をココでもちょびっと披露しちゃうので、ぜひとも参考にしてみてくれ!!



>>軽トラの運転席は当然ながらかなり狭い。そのため、ステアリングをクラシックなディープコーンのナルディに換装。膝下にゆとりをもたせている。


>>純正のフラットなシートは長距離移動に不向きなため、医療用のウレタンをサイドに入れてセミバケ風に。その上にシートカバーをかぶせ、軽トラのチープなイメージを払拭している。


>>もっとも苦労したフロントの足回りは、クスコのスイフト用車高調にアルトワークス用のピロアッパーマウントを組み合せたハイブリッド。ショックを一番低い状態に設定しているので、バネレートを約8kgに上げて長さを合わせている。


>>185幅の14インチタイヤを入れると、フェンダーが干渉するため、硬いフレームをカットしてタイヤハウスを拡大。車高を上げるとタイヤハウスの中が丸見えになるので、黒のチッピングスプレーで塗装済みだ。


>>トヨタ純正の鉄っちんホイールに、3.2mm鋼板のリングとステンレスボルトを加え、ビードロック風にアレンジ。デカールと同色のカッティングを施し、アクセントを加えている。タイヤはマキシス・ブラボーの185R14Cをチョイス。


>>ギミックが満載のリアビュー。スペアタイヤのみならず、スピーカー&アンプまで搭載し、エンタメ装備の充実も図るカスタマイズはさすがのひと言。


>>荷台の後部にはスペアタイヤラックを設置。マキシス・ブラボーを合わせたXTREME-J・XJ04をセットし、スナップオンのラッシングベルトで固定している。ロールバーはマフラーメーカーにオーダーしたステンレス製のワンオフ。溶接のビートをあえて残し、武骨なイメージに仕上げている。


>>荷台のロールバーには良質な大音量再生が可能なキッカーのマリン用スピーカーをセット。オーディオはフロント/リアで分かれた2WAY仕様となっている。また、ロールバーの下部に設置された2つのボックスは、オフロードでおなじみのCAMCAN。荷台の全面とCAMCANはアメリカ軍・政府が認めた唯一の最強特殊塗料、LINE-Xが施工されている。


>>アゲトラにとってはボディの下も重要なカスタムファクターということで、もともと付いていたヨシムラのオーバルサイクロンマフラーを大々的にアピール! 実はこのマフラー、車両を購入する決め手になったという、バイク乗りだった頃からの憧れの逸品なのだ。


>>リア足にはモンローのジムニー3インチアップ用ショックアブソーバーを採用。ループの径が少し異なるので加工を施し、5インチアップ用のブロックをプラスしている。


>>リアデフが鳴るなどの異音が発生したため、リアトラクションバーを装着。さらに、ノーマルよりも若干硬い良質なギアオイルと添加剤を入れ、異音の発生を克服している。


>>もともとは、スカスカの荷台下のスペースが気になって取り付けたオイルクーラーだが、意外にも(?)効果があるとのこと。バッテリーのキネティックHC-REVシリーズは、カーボンシートを貼ったケースに収めてスタイリッシュにガードしている。


>>アンプを内蔵したリア用のBluetoothオーディオは、荷台の下の工具箱にインストールされている。


>>真っ白なボディに映えるマルティーニカラーのデカールは、サンレモラリーのランチアデルタがモチーフ。作業効率を求めるなら断然ラッピングだが、発色と色持ちがいい利点を優先してカッティングシートを重ね合わせた。時代錯誤ともいえる手法で施工しているのもニクイ演出だ。


>>ちょっとアゲて、ゴツいタイヤを履かせるだけで、それなりにカッコよく見えるのが軽トラのおもしろいトコロ。装着するパーツひとつひとつにこだわり、クルマ全体の仕上がりをイッキにグレードアップさせている。

【画像15枚】アゲ仕様の前後足回り、足回りの干渉を解消するボディメイクなど、スタイリッシュな軽アゲトラの作り方はココをチェック!!


『カスタムCAR』2018年11月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:キャリイ/2016年型
SOURCE:エリア27

PHOTO/渡部祥勝 TEXT/井口 豪

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