元・消防車の激レアベースシボレーCOEを怒涛のスラムド!!【画像9枚】絶妙な足し引きで魅せるスラムドボディの気になる全容はコチラからチェック☆おどろおどろしい雰囲気のこちらのマシン。
アメリカのアフターマーケットショーである当時のSEMA SHOWに、ベルギーからはるばる参戦した’55年型シボレー5400ピックアップだ。
アメリカからの輸入車両かと思いきや、ベルギーにあったシボレーファクトリーで生産された純ベルギー産がベース。
そしてこの一風変わったボディは、オランダのCOEカンパニーが消防車にリデザインした経緯ゆえだ。
そんな変わった経緯の持ち主のCOEコーチが、オーナー兼ビルダーと出会ったのは ’17年のこと。
倉庫で保管されていた奇妙な個体に興味を抱き、クルマを大事にしてくれるならという条件付きで譲り受けた。
オーナーはベルギーで“コブルストーン・カスタムズ”というスラムドを得意とするカスタムショップを営んでおり、純正ボディを生かしたローダウンを決意。
まず着手した足回りのリファインでは、純正フレームを利用して前後のフレームノッチ、前後アクスルの交換とエアサス装着でスラムドを敢行。
エンジンはGM製LB7 DURAMAX V8ターボエンジンに換装し、ボアアップで700㎰もの高出力を叩き出す。
ボディは基本的に純正のままを保っているが、消防車ゆえに真っ赤だったボディカラーは、ローラーでハンドペイントしたグリーン×ホワイトに染めた。
ビンテージトラックのスラムドも多く見られた当時のSEMA SHOW会場では、当たり前のようにシャーシを全交換する手法が多い中、純正パーツを生かすために通常とは少し異なるアプローチをとった。
現存数はベルギー国内でもほぼ皆無な激レアベースを超絶スラムドさせた驚異のカスタムっぷりをとくとご覧あれ!!
>>消防車時代からリアゲートは存在しなかったので鉄板でワンオフ。ハンドルやヒンジは他車種流用で、ヤレ感を演出した違和感のない作り込みとし、オーナーのカスタムショップ名である“COBBLESTONE CUSTOMS”をペイント。ルーフラックやラダーは消防車時代の名残だ。
>>リアゲートを開けると全面ウッドで張り替えられたラゲッジが現れる。消防車時代は消火用ホースを格納するスペースとして使われていた場所で、その奥に設置されていたウォータータンクを取り払い、ウォールを破って積載量を増幅。フロアから下のアンダーパネルもワンオフだ。
>>後部座席のベンチシートは、ウッド総張りのナチュラルな空間。実はこのベンチシートやウォールは純正装備のためテコ入れ一切なし。前席はフロアマットをワンオフし、シートはレザーで張り替えた。後部座席のウッドに合わせて、ウッドステアやラゲッジのウッド総張りで合わせている。
>>なんと13人乗りの広大なスペースを確保するウッディなキャビン。
>>フロントアクスルは’92年型C3500を流用し、’87年型シボレーベースのUS ARMYが使用していた救急車の6輪リアアクスルを4リンク化して使用。純正フレームのF10"、R20"フレームノッチとエアサス装着によって強烈なスラムドを完成させている。
>>真横を見ると、消防車としての実用性を求めた合理的デザインと、特有の丸みを帯びたデザインがあいまって、その出で立ちの異様さが際立つ。ある意味完成されたデザインを生かすために、ボディへのテコ入れは最小限に、ハンドペイントでその形状が目立つグリーン&ホワイトに仕上げた。
>>ホイールはアルミキューブから削り出しで作ったというまさかのワンオフ品。アメリカではデューリーなどのトラック用大径ホイールを再切削し、スポークを新たにデザインする手法も見られるが、こちらは計6本を1600時間かけて新規製作。ベルギーといえばワッフルが有名だが、それとなく形状をオマージュしたメッシュの24インチとなった。フェンダーアーチは大幅にエクステンドしている。
>>もっこりボンネットが特徴的なユニークなフロントフェイス。消防車用に作り込まれていたフロントバンパーは、不要なものを取り払ってシンプルにし、フレーム溶接した。ボンネットなどのサビサビは、ペイントによるやれた風な表現となる。
>>カスタムベースは’55年型のシボレー5400ピックアップで、13人乗りの真っ赤な消防車というレアもの。トラックをベースに、オランダのCOEカンパニーが13人乗りかつ消防車に架装した車両となる。’77年まで実際に消防車として稼働し、’17年までの40年間、倉庫内で眠っていたサバイバーなのだ。
『カスタムCAR』2019年2月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:シボレー5400ピックアップ/1955年型
SOURCE:コブルストーン・カスタムズ