京都の
オウジファクトリーといえば、 エブリイカスタムで、幾度となく本誌をにぎわせてきた存在。トラッキン流の足回りメイクで本誌表紙を飾ったスラムドエブリイを世に送り出したかと思えば、国産旧車や往年のユーロテイストを取り入れた斬新なアレンジで、エブリイカスタムの多様性を広げてきた匠である。
そんなオウジファクトリー代表が新たに手がけたのが、〝平成初期のVIP〟をコンセプトにしたこの1台。
「手持ちのBBS RGを仮合わせした時に閃いたのが、ブツ切りツートンカラーのVIPカーでした。エブリイではありそうでなかったし、当時を知るオジサンたちの心をつかめるかなと(笑)。BBS以外にも時代背景を合わせる小物もプラス。ウチらしくない脱線感がいいでしょ?」
あまりに自然なツートンカラーボディだが、とことん考え抜いた仕事ぶりも見逃すわけにはいかない。
「サイドの塗り分けはプレスラインで決まりましたが、フロントバンパーにちょうどいいプレスラインがありません。何もないところで突然色が変わると違和感しか残らないので、横長ベゼルを持つJB5ライフのフォグランプを塗り分け、ラインに重ねて違和感を解消しています。リアバンパーはサイドより高くしないと躍動感が出ないのですが、バンパー全部をガンメタに塗るとバンッぽいので、あえてカーブの立ち上がりでカットして上面をシルバーにしています」
こうやって仕上がったエブリイは、シルバーボディとボトムのガンメタ、ウインドーのブラックが絶妙にバランスし、言われてみればVIPカー的なオーラがプンプン! 時代背景を合わせる小物パーツを最小限に抑えているのも巧い。次第にエブリイが10セルシオのように見えてくるのは自分だけではないハズだ。
【画像10枚】時代を感じさせるため小物も当時のものを揃えるところにこだわりを感じる!全貌はこちら!>>もともとのシルバーメッキの上にキャンディゴールドを吹いて仕上げたゴールドエンブレム。
>>VIPセダンには定番だったダイバーシティアンテナ。アナログテレビには欠かせなかった当時の必需品をドレスアップパーツとして取り込んでいる。
初出:カスタムCAR 2020年2月号 Vol.496
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Base Car:2016年型 エブリイ・バン
協力:オウジファクトリー