5歳の時に映画『トラック野郎』シリーズを観て以来、その時代のトラックにあこがれてきたオーナーの愛車は、昭和49年式のT210C、通称「Vキャンター」をベースにした真性レトロアート車だ。クルマ自体が稀少車だが、当時モノのレアパーツをふんだんに投入していることにも目を見張らされる。 関西風を意識した仕上がりは、満艦飾に飾り上げられデコトラのイメージが色濃く反映されている。なかでも、マーカーアーチとスパンコールを採用したシートキャリアが、デコトラらしさを強烈にアピール。しかも、石目アンドンや唐草模様の飾りをあしらって、見応えを大幅に引き上げている点も見逃せない。
さらに丸バイザーは、当時のパーツをひな形にして、強度や張り出し具合を自らが調整したオリジナル品。組み合わせたミラーステーには上側が傾斜しているものをチョイスして、オリジナルの味付けを加えている。
また、フロントパネルには、第10作『トラック野郎 故郷特急便』に使われたモノと同じ「ダルマワシ」のレリーフを装備。その上下を飾るサクラ模様のボタン状の装飾品は、やはり第6作『トラック野郎 男一匹桃次郎』で使用された飾りだ。ほかにもバンパーに装着されたライオンのレリーフやリアバンパー、アンドン類にマーカー類と、当時モノのお宝パーツがテンコ盛り。ミラーステーの付け根に装着されたファッションランプやリアバンパーに装備されたルートランプといった珍品がズラリと並び、さながらデコトラ博物館のよう。
【写真6点】当時モノのレアパーツをふんだんに投入。カミオン2009年9月号トップアートをもとに再構成