キャブパートは、シートキャリア、バイザー、ミラーステー、キャデラックバンパーと、すべてメッキパーツを採用して、きらびやかに飾り上げる。なかでも鳥カゴ型シートキャリアは十分な高さを誇るうえに、繊細かつ華麗なデザインとメッキ独特の輝きが実に美しく、このクルマの存在感をより一層アップしている。前面にはすずき工芸の手によるミラータイプのメインアンドンが掲げられ、華やかさをさらに強調している。
そして、キャブを個性的に演出しているのが各種の観光バス用パーツだ。フロントパネルには「VIP Salon」の切り文字と中央観光バスのエンブレムを、ドアには「特別車」の切り文字を装着。どれも当時モノのレアパーツばかりで、ゴールドに輝くこれらのパーツがメッキで固めたキャブ、黒塗りされたフロントパネルと鮮やかな対比をみせ、このクルマならではのオリジナリティを際立たせている。
サイドバンパーはマーカーを埋め込みで装着し、縁ゴム付きのアンドンを採用。箱上にはジュラルミン製のバスロケットも装着され、キャブアートに負けず劣らずの完成度を誇っている。もちろん、このバスロケットも、実際に観光バスが使用していた当時モノのパーツだ。メッキパーツとバスパーツが織りなす美麗なスタイルは高い完成度を誇り、街道筋で一目置かれる存在となっている。
【写真7点】バス好きを生かし’80年代の仕事車アートを。
カミオン2009年11月号トップアートをもとに再構成