免許を取る前から、追っかけ少年としてアート車を追い続けてきたオーナー。実はこのクルマは、少年時代に追い続けてきた憧れのクルマそのものなのだ。まさに夢のクルマを手に入れて、少しずつ自分流のアートに染め上げている途中だ。
キャブ周りでは、ウロコステンレス製の平型バイザーとメッキのコの字型ミラーステーの黄金コンビを配したトップパートに注目だ。どちらもあえて張り出し量を抑えているが、完成度の高さでしっかりと存在を主張している。バイザー側面の型押しやミラーステーの棒チップなど、ディテールにもみどころを用意する抜かりのなさも見逃せない。フロントマスクはヘッドライトバイザーとバスウインカーで、オリジナリティあふれる面構えを構築。加えて手すりパイプ、弁当箱、グリルアンドンがプラスされ、上質のレトロムードをかもし出している。
そして迫力たっぷりのキャデラックバンパーがキャブボトムに据えられる。特筆すべきは、フロントバンパーからサイドバンパー、リアフェンダー、リアバンパーへと続く平ボディ車らしい伸びやかなアンダーラインで、クルマ全体に抜群の安定感を与えることに成功している。 ほかにも随所にみられるウロコステンレス使いの妙や、ドアに装着したお宝アイテムのレッドのアワ棒など、みどころは盛りだくさん。関東のレトロアートファンは、イベントなどでそのみごとさを確認してほしい。
【写真6点】レトロテイストで飾り上げたアートポイント。カミオン2009年10月号トップアートをもとに再構成