北海道が誇る老舗アートトラッククラブである羽衣会に所属するオーナーの愛車は、北の大地で異彩を放つ’80年代の関東風を意識したアートアップが特徴だ。
トップパートはそのコンセプトどおり、鳥カゴ型シートキャリア、平型バイザー、コの字型ミラーステーという構成となっている。シートキャリアの最上部は上に行くほど広がる、かつての羽衣会の名車たちがこぞって採り入れていたデザインを採用。クラブとご当地の伝統的なアートをしっかりと受け継いでいる。そして、こうしたパーツ類はすべてワンオフのオリジナルであり、ひとつひとつ自身が段ボールで型を取って、それを元に作られた労作なのだ。
同じ手法で製作されたフロントバンパーは、鏡面の輝きが美しいキャデラックタイプ。側面にナマズマーカーを4発並べるほどの迫力ある厚みを誇っているのも特筆ポイントだ。加えて、レンジャーSD用グリルとY330用ヘッドライトが導入され、レトロな雰囲気満点のフロントマスクを形成している。
さらにみごたえ抜群なのがアンドンとペイントだ。全身に散りばめられたアンドンには、すべて名文句が入り華やかさを好演出。羽衣会が誇った名車から受け継いだ文句もみられ、オーナーのクラブへの強い思いが伝わってくる。
【写真6点】これだけ飾り上げながら仕事車という事実にも驚かされる。カミオン2009年2月号トップアートをもとに再構成