日野ZMベースの名車・出撃!壱番機を作り上げるなど、アート界に一石を投じる存在として知られている。今回もちょっと変わったクルマをベースに、味わいある1台を作り上げた。ベース車は平成18年式の三菱ふそうファイター。一見すると平ボディのようだが、実はセルフローダー。材木を運ぶ仕事とクルマを運ぶ仕事の二つをこなすため、一風変わった架装が施されている。
トップパートは鳥カゴ型シートキャリアに平型バイザー、コの字型ミラーステーをコンビネーション。シートキャリアの袴とバイザーにはウロコステンレスをさりげなく使用し、嫌みのないレトロ感を漂わせている。さらにバイザーは、サイドまで回り込むようにマーカーを埋め込んで配置。加工に手間がかかり費用がかさむ手法だが、この手法によりパーツ自体のクオリティが格段にランクアップしている。
キャブボトムには直線基調のデザインが力強いキャデラックバンパーを採用。モノトーンのアンドンとのコンビネーションで、男らしい硬派なパーツに仕上げている点もセンスを感じさせる。
そのキャデラックバンパーから流れるラインは、厚みをたっぷりとったサイドバンパーで構成。中央には波絵をあしらったアンドン板を採用し、リアアオリの波絵との組み合わせで華やかな一面を見せる。 現在、このクルマをベースにさらなるアートアップを敢行中。「どんな風に変身するか、楽しみに待っていてほしい」とメッセージを残してくれた。
【写真6点】アート界に一石を投じるディテールメイク。カミオン2010年8月号トップアートをもとに再構成