ワッパ人生をともにしてきた同郷の兄弟分!幻影会と北海道はまなす会といえば、ともに長い歴史を誇る北海道の老舗クラブ。そんなクラブの一員として活躍し続けている三代目猫又虎次郎さんと、二代目炎龍丸さん。長らく北海道でワッパを握っていたふたりだが、ともに北関東エリアでダンプ稼業に従事した。
「知り合ってからもうかれこれ30年になりますが、当時から二代目炎龍丸さんは豪快なトラック野郎。ホールケーキを丸ごと1枚ペロリと平らげながらお酒を浴びるように飲む、というような(笑)。体を壊しているにもかかわらず『これでトラックを降りたらボケちゃうよ!』って、ダンプを転がし続けていますしね。面倒見のよさも昔から変わってなくて、だれからも慕われる兄貴分的存在です」。
一方「三代目猫又虎次郎さんは人とコミュニケーションをとるのがすごく上手な人なの。今も一緒に仕事をしてるけど、オレがこんなふうに堅物で扱いにくい性格だから……、どれだけ彼に助けられたかわからないよ(笑)。かと思えば、飾りに対しての意欲とこだわりは旺盛すぎるほど旺盛。いま三代目猫又虎次郎さんが乗っているダンプは知人から譲り受けたものなんだけど、彼がオーナーになったとたんに、ダンプの雰囲気がガラリと変わったんだよ。あれにはホント驚いた。彼が気持ちを込めて飾っている証拠だよね」とのこと。
「ここまでくると“腐れ縁”ですね(笑)。二代目炎龍丸さんにはずっと世話になりっぱなしなので、これから少しずつ恩返しさせていただきます!」と宣言すると「いつまでも和気あいあいやっていこうよ」と応答。実の兄弟以上に兄弟らしいご両人。うらやましい限りの“腐れ縁”だ。
メタリックパーツを武器に個性と精悍さを好演出!三代目猫又虎次郎は、トラック仲間から譲り受けた大型ダンプ。「それまで乗っていたウロコステンレス主体のダンプから一転です(笑)」と話すスタイルは、ほどよく抑制を利かせながらも、全身をスキなくコーディネートした精悍さがウリだ。
キャブ周りには、前出しメッキバンパーをはじめ、角パイプ基調のハシゴや、オーソドックスなミラーステー&2段平型バイザーなど、シンプルルックで統一した大型パーツをバランスよく装着。キャブ前面には、バスマークや珍しい6角アンドンを配して、一風変わったオリジナリティをアピールしている。
一方、プロテク前面やアオリをアルミの波板でコーディネートした荷台周りは、随所に用いたブーゲン柄のエッチングステンレスや、リア下周りを彩る3連角テールボックス×3個がみどころ。撮影後にも次々と手を加え続けている将来有望な1台だ。
電飾アートを盛り込んだ関西風味の個性派車!36年のトラック運転歴を誇るオーナーが乗る二代目炎龍丸は、いぶし銀の大型自作パーツと、関西風をイメージした電飾、それに関口工芸の筆致が光るアンドンをバランスよくコンビネーションした秀作ダンプだ。
キャブ周りには、3段ハチ巻き仕様シートキャリアや、前面にアンドンとマーカーを組み合わせた平型バイザーなど、玄人はだしな技術力を誇る自作パーツが目白押し。側面をカスタムバンパー風に仕上げた前出しメッキバンパーもオリジナリティ十分だ。また、パンチングステンレスをあしらったバスマークや、その両サイドを彩るV字マーカーも、独創性に優れたアートメニュー。
名匠・関口工芸が手腕をふるったアンドンの数々も一見の価値アリだ。撮影後には、荷台全体を「鏡面+ブーゲン柄のエッチングステンレス」で華麗にリメイクしたという二代目炎龍丸。ベテランハンドメイダーの手腕が冴える面目躍如作といえよう。
【写真8点】モダンかつスパルタン。カミオン2009年9月号ザライバルバトルをもとに再構成