トップパートは平型バイザー、コの字型ミラーステーと、モダンレトロの王道ともいえるコンビネーション。バイザー、ミラーステー、ブレ留め、ドアバイザーをすべて菱抜きデザインで統一することにより、一体感を好演出するとともに、レトロな印象をアップさせる効果も両得している。角パイプをあえておこしで使っていないミラーステーもベストマッチだ。
そして、平ボディらしいスマートでシャープなアンダーラインを決定付けているのが舟型バンパーだ。適度な厚みと張り出し量をたっぷり取ったデザインは、ドッシリとした安定感と均整のとれた美しいバランスを生み出している。さらに弁当箱アンドン、グリルアンドン、蝶マーカーといった小技を使い、巧みにレトロなイメージを演出。バス用のウインカーをコーナーパネルに設置するアイデアも盛り込まれ、オリジナリティをしっかりとアピールしている。
荷台部分も、キャブアートに勝るとも劣らない完成度をみせている。アオリ3面に豪快に躍る波絵は、名匠のすずき工芸の傑作。プロテク前面に配置されたブーゲンステンレスとともに、アート車らしい華やかな印象を生み出している。そして、白のカラーパネルをセットしたサイドバンパー、バスフェンダーで完全武装されたアンダーパートが、クルマ全体をきっちり引き締める。全身をスキなくアートアップして高い完成度を誇る注目の新星が、また1台アート界に誕生したようだ。
【写真6点】モダンレトロの王道。カミオン2008年8月号トップアートをもとに再構成