同郷&同い年のアート狂が結ぶ熱い友情!怜丸さんと荒鷲丸さんは、ともに静岡県に住む昭和55年生まれのトラッカー。今から10年ほど前に知り合って以来、大好きなアート車をつうじて絆を深めてきた。
「荒鷲丸くんのことは、出会う前から『相当なトラック好きがいる』というウワサを聞いていたんですよ。でも、想像を超えていましたね(笑)。まあ、同い年ですし、生きてきた環境や、みてきたモノもすごく似てるので、一緒にいてすごく安心できるんです……って、別にアヤシい関係じゃないですよ(笑)」と怜丸さん。
一方の荒鷲丸さんは「自分ではかなりのアート狂だと自覚してましたが、怜丸くんと出会ったときは『オレ以上にスゴいヤツがいた!』って驚きました(笑)。きっとオレと一緒で、小中学生のときからトラックの雑誌を読みあさってきたんだろうなーって。ふたりで話をするとすごいですよ。’80年代のクルマの細かい飾りのこととか、よくまあそんなことまで覚えてるなーというようなディープな話が飛び出しますから(笑)」。
仕事上でも、目的地が同じ方向のときなどは、愛車を連ねてランデブー走行することもしばしばあるというご両人。
「先日、腰を痛めてトラックから降りるのもままならなくなっちゃったことがあったんですけど、そのときに、鈴木くんがわざわざ仕事のあとに高速を使って荷降ろしを手伝いに来てくれたんです。ホントにありがたかったですよ」と話す荒鷲丸さんに対し、「困ってるときはお互いさま。仲間を助けるのは当然ですよ!」と怜丸さん。
そんなふたりのやり取りからみえてくるのは、損得を抜きにした厚い友情だ。中部の箱車シーンを盛り上げる気鋭トラッカーコンビの、ますますの活躍に乞うご期待だ!
すずき工芸の傑作画と美麗パーツが豪華競演!怜丸さんが駆る青果輸送便は、鈴木板金製の大型パーツとすずき工芸のペイントを武器に、迫力満点のスタイルを構築する秀作車だ。
特筆すべきは箱3面を彩る傑作画で、左右にすずき工芸の十八番となる「波絵」を描くほか、リア観音扉には背中に墨を入れた「妖艶な女性」をペイント。大胆な構図と繊細な筆致、彩り豊かな色使いは、一見に値するセンスの高さを有している。
一方のキャブ周りには、重厚感のあるラッセル戻しバンパーをはじめ、しぼりパイプ仕様のミラーステー、前面にマーカーを並べた平型バイザーなど、美麗さと迫力を兼ね備えた大型パーツをバランスよく組み合わせて、存在感をアピールしている。
そのほか、箱上に搭載したバスロケットやドアを彩るすずき文字など、随所に魅力あふれるビューポイントを用意。他車とは一線を画す豪華なスタイルで、周囲のトラッカーからも一目置かれている。
メッキ&文字ペイントで理想のスタイルを追求!荒鷲丸は、関東〜関西を走る水産物輸送車だ。本人いわく「昔の人は足回りからキメていましたし、自分もそういう順番を大事にしています」と話すアート手法は、クルマ全体をひとつのシルエットとしてとらえたときの美しさ、カッコよさを重視。ツウ好みなスタイルを実現している。
注目の箱周りは、ウイングに品のある輝きを実現するアストロフレークを吹いた欧文を、鏡面のリア観音扉に「生鮮急行 羽田商事」のすずき文字を採用し、雰囲気満点の仕事車スタイルをアピール。また、2段タイプのメッキサイドバンパーには、すずき文字を躍らせたアンドンをコンビネーションする。
さらにはクラブ名を刻んだメインアンドンや、赤×青のホイールマーカーなど、ディテールを彩る華やかなアクセントアイテムもみどころで、ピカピカのメッキを多投したキャブ周りとの相性も文句なし! 今後のアートアップからも目が離せない注目車だ。
【写真8点】アートの神は細部に宿る。カミオン2009年2月号ザライバルバトルをもとに再構成