美しいデザインだけじゃない! ワインディングを速く走ることができたその理由とは?|ディノ246GT Vol.2

美しいスタイリングを誇るディノ246GT

       
●ディノ246GT tipo-L 1969年式

コーナリング性能の意外な理由  

 フィアットに製作を依頼した2.0L V型6気筒エンジンをミッドシップに搭載したディノ206GTから、2.4LへとスープアップさせたV6エンジンを搭載した246GT。

 当時の日本での評価は、二玄社の『カーグラフィック』149号に掲載された小林彰太郎さんのインプレッション記事が参考になる。

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 漫画『サーキットの狼』の影響からコーナリングマシンというイメージが強いが、扱いやすい操舵性で、しかも着座位置が高く、ウインドーが広いことからコーナーの走行ラインが見やすいため、ワインディングを速く走ることができるとある。

 着座位置が高いといっても一般乗用車に比べると、お尻をすって走るような感覚。ただ、カウンタックのようにドライバーがシートに「寝る」のではなく、上体が立った状態で運転できるため、乗りやすく、コントロールしやすい。

 日本では、中学から高校生時代にスーパーカーブームを経験した1960年前後に生まれ人たちが、バブル経済時にディノを大量購入。その後も多くのディノが日本国内に残された。



小さなエンジンルームにすっぽりと収まったシンプルかつコンパクトな2.4L V型6気筒エンジン。2.4Lの6気筒であることから246という車名が付けられた。エンジンは全て結晶塗装済み。前期モデルだが、後期部品が付いている個所もちらほら。ディノは部品の再生産が始まったので、比較的部品が手に入りやすいとのこと。程度を優先し、ティーポにこだわるよりは個体を大事にすべきという考え方で仕上げられた。



ミッドシップのスポーツカーとは思えないほど大容量のリアトランク。これもコンパクトなV6型エンジンを横置きにしたメリット。リアは206GTより短くなり、エンジンが大きくなったことによリ崩れた前後重量バランスをとる。




フロントボンネットの下にはスペアタイヤが格納されている。




ドアミラーは必要最低限の大きさのものがちょこんと付いている。ウインドーの開け閉めはもちろん手動。




ワイパーは互いに逆方向へと動く、いわゆるケンカワイパータイプ。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2011年8月号 Vol.146(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Daijiro Kori/郡 大二郎

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