60年代、優雅な旅をグランドツーリングカーで|パゴダ・ルーフのメルセデス・ベンツ 280SL Vol.1

専用ボディで登場したW113 280SL

●69年式 メルセデスベンツ280SL

数多くの逸話を持つメルセデス  

世界最古の自動車メーカーであるメルセデスは数多くの逸話を持つ。

自動車を発明した創始者カール・ベンツの功績を世に知らしめようとした妻ベルタの長距離ドライブの話や、レースカーがシルバーに統一される理由となったシルバーアローの話。

また、高い品質と安全性から、世界中の要人が暗殺から身を守る丈夫なクルマとして使用し、多くの歴史的事件の主役となった。




関連記事:3種類あったW113。魅せるインテリアはエレガント|パゴダ・ルーフのメルセデス・ベンツ 280SL Vol.2


 さまざまな逸話を持つメルセデスが、1950年〜60年代のいわゆるオールドメルセデスには、別の趣がある。

第2次世界大戦後、日本に先んじて復興したドイツでは、戦前より始まっていたモータリゼーションが発展。

ドイツ、オーストリア、スイスなどをつなぐアウトバーンはクルマによる旅行をはやらせ、スポーツカーよりはむしろ長距離を快適に走行することのできる、ツーリングカーの発達をうながした。

その結果がオートマの装備やインジェクションエンジンの搭載。この時代の人々にとってメルセデスに乗ることは優雅な旅とイコールであったと想像に難くない。  

1963年のジュネーブ・モーターショーでデビューした2代目SL、W113 230SLが登場したのは、こうした時代の流れからだ。

特徴的なガルウイングを備えた初代SL W198は、レーシングカーにルーツを持つスポーツカーだったが、燃料噴射装置を付きの直列6気筒エンジンを搭載し、オートマチックミッションやパワーステアリングも備えたW113は、よりグランドツーリングカーに近い位置づけだった。



スポーティーでありながら気品ただよう280SLのリアスタイル。




280SLの車名と、オートマチックを表すエンブレムは堂々したもの。トランク左側に取り付けられている。




通常280SLはボディカラーと同色のホイールキャップを装備するが、このクルマの場合はルーフの色と同じになる。




テールランプは後期型の2色タイプ。前期型のランプも装着可能だ。




写真手前のスペアタイヤがスペースを占有するものの大きなスペースがおごられたトランクは長期間の旅行に対応する目的から。
もちろん荷物の収納スペースはここだけでなく、シート後ろのスペースへの収納やパゴダルーフ両端に付けられたレールを利用し屋根への搭載も可能だ。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2011年6月号 Vol.145(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Ryota-Raw Shimizu/清水 良太郎

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