踊るようにワインディングを舞うホットハッチ|漫画「オーバーレブ!」を支えた名車達 プジョー 106 ラリー Vol.1

       
漫画「オーバーレブ!」の主要キャラクターの中で、最も独特な雰囲気を出しているのが橘沙璃ことサリ。

長い黒髪の清楚な姿や「ウフフ」と笑っちゃうおっとりとした性格は、いかにも王道の「お嬢様」。

それもそのはず、サリは外交官令嬢でフランスからの帰国子女なのだ。

関連記事:フランスから来た生粋ホットハッチ|漫画「オーバーレブ!」を支えた名車達 プジョー 106 ラリー Vol.2


海外生活が長いお嬢様らしく(?)、日本語を間違えたり一般常識が欠けている面もチャーミングで、「一蓮托生」を「一触即発」と言い間違えたり、「そこのホテルのティールームでお茶でも」と言いながらラブホテルの駐車場にクルマを入れたり……天然っぷりをそこかしこで発揮してくれる。

そんなお嬢様のサリだが、ハンドルを握ればとんでもなく速い! そして、サリが乗るのがプジョー106ラリーなのだ。



 プジョー106はフランス本国で1991年にデビューしたコンパクトカーで、ボディは3ドア/5ドアのハッチバック。

日本への正規輸入は95年にスタートし、当初は1.6Lエンジンを搭載したXSiが限定車として導入された。

その後、96年のマイナーチェンジを機に、1.6LDOHCエンジンを搭載するスポーティーな3ドアのS16のみというラインナップとなった。

勘のいい読者のみなさんなら「あれ?」と思ったはず。

そう、106ラリーの名がまったく出てこない。

つまり、106ラリーは正規輸入車ではなく、並行輸入車しか日本には存在しないのである。




フロントバンパー同様、リアバンパーはフルカラード。

赤いラインもテンサンラリー専用デザイン。





フランスから来た生粋ホットハッチだ。




黒地に赤い柄が入ったおしゃれなシート。

オリジナルのシートが残っているのも貴重だが、状態も抜群にいい。

窓の開閉は手動で、ドアトリムは一部が鉄板。

コンペティションモデルらしく無駄な装備を廃して重量増を抑えている。





テンサンラリーは5速MTのみの設定。

ギヤ比も異なり、クロスミッションが採用されている。



ハチマルヒーロー 2019年 11月号 vol.56(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : Satoshi Kamimura/神村 聖

RECOMMENDED

RELATED

RANKING