16歳の時に父が買ったGT-R。そこからストーリーが始まった|日産・スカイラインGT-Rを愛する男 中村実浩 Vol.1

極上の実車と無数のパーツを所有

 中学3年生の修学旅行で訪れた古都。

そこで出合った1台のクルマが中村実浩さんの人生を変えた。

今から三十数年前のことである。



 15歳の少年は京都の街を走るバスの車内で、あるクルマに目を奪われる。

「バスを追い抜いていった白いクルマが凄く格好良くて。

それこそ衝撃を受けたんですよ」と語る中村さんは、あのときの光景を鮮明に覚えているという。

自由時間になると、観光もそっちのけで本屋に駆け込み、自動車雑誌をひっくり返して目に焼き付いたクルマを必死で探した。

それが、PGC10スカイライン2000GT‐Rだったのだ。



 それから中村少年は寝ても覚めてもGT‐Rのことばかり考えていた。

格好いいという印象と同時に、「どうしてスカイラインはこんなに高いんだろう?」という疑問を持ったそうだ。

当時はGTもGT‐Rも分からなかったというが、雑誌でスカイラインの記事を読みあさり、生い立ちやレースで活躍したことを知るにつれて、その価格・価値を理解するとともに、「絶対このクルマに乗る!」と強く思ったそうだ。



 当時はハコスカの第一次黄金期で、中古車でも300万円以上は当たり前。

とても10代の少年がどうこうできる代物ではない。

そもそも免許もなく乗れるはずがない。

しかし、16歳のときに両親を説得。

その熱意に押された父が「ちょっと見に行ってみるか」といってくれたそうだ。



 父と連れ立って訪れたのがTOWAモータース。

「もちろん価格は高くてね。とてもじゃないけど買えるわけがなかった」という。

その展示車を食い入るように見ていた中村少年のもとに、店内でセールスマンと話をしていた父が戻ってきてひと言、「買えるぞ!」といった。

それが中村さんとGT‐Rの二人三脚の始まりだ。



 ちなみに、このとき購入したのは1オーナー、走行距離6万3000㎞、4ドアのGT‐Rで、価格は230万円。

商談の席で父は相当粘ってくれたそうで、当時乗っていたTE47スプリンタートレノの下取りを当初の50万円から100万円にまで引き上げた。

中村少年のGT‐Rに対する熱い思いは、父にしっかりと届いていたのだ。





中村さんが16歳の時に中村さんの父が買ったGT-R。極上のコンディションを保つ一台だ。




初めてのGT-Rをベースに、当時の純正部品をぜいたくに使って、忠実にオリジナルを再現した珠玉の1台。




シフトノブやセンターコンソールなどは交換していない。33年間乗り続けてきた、こだわりと強い思い入れ、そして愛情がここに表れている。




こちらのオーナーズクラブのバッジも33年間交換していない当時モノだ。




少年時代にスカイラインとGT-Rに惚れ込み、以来30年以上も探求を続ける、生粋のスカイライン・エンスージャスト。

GT-Rのためなら寝る間も惜しまないというほど愛している。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2011年12月号 Vol.148(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:RINO CREATIVE/リノクリエイティブ photo:Motosuke Fujii/藤井元輔

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