1JZ-GEでよみがえったLHDクラウン 白いクラウンのキャッチコピーで売れた|70年式 トヨタ クラウン デラックス Vol.1

       
「いつかはクラウン」。

誰もが一度は聞いたことがあるであろう名コピーは、初代クラウンから使われていたものではない。

83年に登場した7代目のMS120クラウンで使われたキャッチコピーだ。

高度成長期を経て、一家に一台クルマがある時代が到来。

会社の中で出世し、給料が上がっていくとともにカローラ、コロナ、マークⅡ、クラウンとステップアップしていく理想の姿を提示し、トヨタ車に乗り続けてもらおうという販売戦略の意図がキャッチコピーの中には含まれている。



 では、3代目にあたるMS50クラウンのキャッチコピーは何だったろうか。

「白いクラウン」である。

このコピーを用いてキャンペーンを行った結果、68年の登録実績はそれまでの記録を塗り替え、さらに翌69年はその記録を塗り替えるほどの売り上げを見せた。

販売されたクラウンのボディカラーは、ほとんどが白色。

これまでクラウンというと黒のイメージが強かったが、それを一新してしまったのだ。





前席のシートはベンチシートの選択も可能だった。





リアのナンバープレートを開くと中にガソリン給油口が存在する。





プッシュボタン式HI-FIラジオ。

アンテナは自動式。

ヒータースイッチの右側にある灰皿は衝突衝撃時に外れて落ち、乗員が衝撃の反動で頭をぶつけないよう配慮された。





両側ドア付近の天井に設置されたフレッシュフロー。

停車中に窓を開けずに外気を取り入れる目的で設置された。





フェンダーミラーではなく、北米仕様のドアミラーが装着。





R134aレシーバータンクの存在がエアコン装着車であることを示す。




掲載:ノスタルジックヒーロー 2011年12月号 Vol.148(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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