スーパースポーツ、4WDターボワゴン、3ローター、GPSナビ|週刊|日本車のビンテージイヤーである89年と90年を振り返る|ニッポン1989年 Vol.3

当時のホンダの最先端技術を結集し、開発された本格和製スポーツカー。ボディは量産車初のオールアルミモノコックで、ミッドシップに搭載されるエンジンは3ℓV6(のちに3.2ℓも搭載)。約16年にわたって販売され、海外での影響力も高かった。

       
スバルがレガシィを誕生させたのも1989年だ。

新世代の4WDセダン&ワゴンを市場に放つ。

高性能な新開発DOHCターボと4WDの組み合わせで人気を集め、とくにツーリングワゴンはワゴンブームの火付け役となった。

「ワゴン=レガシィ」という図式を確立し、以降20年にわたりワゴン市場ではレガシィが独壇場だった。

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 ホンダは89年にアコードをモデルチェンジするとともに、5気筒エンジンを積む上質な走りのアコード・インスパイアを投入した。

そして90年にはオールアルミボディのスーパースポーツカー、NSXを発売する。

また、レジェンドもモデルチェンジしたが、スポーツモデルとセダン系の販売は伸び悩んだ。

ホンダが元気を取り戻すのは、94年秋に送り出したオデッセイがヒットしてからである。

これ以降、ミニバンが日本の景色を変えていく。



 新技術が次々に生まれた80年代半ばを経て、80年代後半から90年代初頭はバブル景気に後押しされ、潤沢な開発費を注ぎ込んだ。

その結果、数々の名車が誕生し、昭和から平成へと時代が移ったこの時期、日本車は高品質と高性能を武器に世界を驚がくさせた。





87年の東京モーターショーで「AXV-Ⅱ」として参考出品され、90年に市販されたセラ。

最大の特徴はなんと言ってもガルウイングドアで、その開放感は圧巻。

シャシーはスターレットと共有で、エンジンは1.5Lを搭載する。





欧州車に匹敵する走りと快適性を目指して開発されたプリメーラ。

フロントマルチリンクサスが生み出すハンドリングは一級品で、国内外で高評価を得た。

また、北米ではインフィニティブランドのG20としても販売されていた。





スープラやZをライバルとする三菱のフラッグシップスポーツ。

大トルクを発揮するV6ツインターボエンジンと4WDの組み合わせは強烈で、豪快な走りが味わえた。

日本初のアルミ4ポット対向ブレーキキャリパーなども採用された。





新規開業したユーノスブランド扱いとなったコスモ。

ダイナミックなスタイリングのボディは2ドアクーペのみで、エンジンは13B型のほかに市販車世界初の3ローター20B型も搭載。

CCSと呼ばれるGPSナビも世界初の装備だ。



ハチマルヒーロー 2019年 05月号 vol.53(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

TEXT : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明

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