81系マークII 3兄弟、S13 シルビア、ゲームボーイに幕張メッセ|週刊|稀代の名車が生まれた昭和と平成の合間の時代|ニッポン1989年 Vol.1

4年サイクルでモデルチェンジを行っているマークⅡ3兄弟。88年に登場した81系は先代の正常進化版で、丸みを帯びたフォルムと、より質感が高まったインテリアが特徴的。エンジンバリエーションも豊富だった。

       
1980年代の後半、元号では昭和の60年代は、日本が元気だった時代である。

プラザ合意による急激な円高を背景に、株価や地価が上がり、バブル景気にわいていた。

イケイケの時代になり、ニッポンは活気にあふれた。

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怖いものなしで、日本の自動車メーカーも元気を取り戻している。

販売は好調だったから強気に販売計画を立て、海外にも積極的に進出するようになった。

自動車誕生100年を迎えた時、日本は世界一の自動車王国に君臨したのだ。

時代に先んじて排ガス対策に乗り出した結果、環境性能では他国を寄せ付けなかったし、性能面でも先輩である欧米と肩を並べるまでに成長。

最先端エレクトロニクス技術も世界をリードした。

乗用車の生産は800万台に迫り、その後も伸びていく。



 メカニズムにも新しい技術が盛り込まれた。

ターボやスーパーチャージャーも積極的に導入している。

昭和末期の88年にトヨタはマークⅡ/チェイサー/クレスタの3兄弟をモデルチェンジした。

ディーゼルエンジン以外はDOHCとし、ツインターボとスーパーチャージャーも設定する。



 日産はセドリックとグロリアに全幅1770㎜のワイドボディを採用し、電子制御エアサスペンションを組み込んだシーマを投入。

大ヒットし、「シーマ現象」の言葉をも生んだ。

また、4代目のS13シルビアやマルチパーパスミニバンのプレーリーを新世代にしている。

セフィーロも誕生した。



 バブルの後押しを受け、最後に大輪の花を咲かせた昭和は、89年1月7日に幕を閉じている。

そして年号は平成に変わった。

平成バブルが始まり、日経平均株価は一気に4万円目前まで上昇する。

自動車業界も元気だ。

4月に導入した消費税が追い風となり、高級車や高性能車、RV車などが販売を大きく伸ばした。

時代が平成に移り変わった元年の89年は、日本車のビンテージイヤーである。

今、振り返っても名車、傑作車が多い。




歴代シルビアのなかで、最多販売台数を記録したのがS13。

それまでスポーティー路線だったシルビアだが、このS13はデートカーにシフト。

とはいえFR+ターボエンジンというパッケージにより、走り好きファンからも支持された。





任天堂が開発したゲームボーイが発売されたのは、89年4月のこと。

カセット交換式の携帯型ゲーム機としては画期的で、のちにさまざまなカラーバリエーションや、ゲームボーイポケット、同ライトといった派生機種も誕生した。





かつて東京モーターショーが行われ、現在も毎年東京オートサロンが開催されている千葉県の幕張メッセ。

クルマ好きになじみ深いこの施設は89年10月に設立。

ちなみに隣接する千葉マリンスタジアムは90年開場だ。




ハチマルヒーロー 2019年 05月号 vol.53(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text : Hideaki Kataoka/片岡英明

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