FFミッドシップ・縦置き5気筒 革新の上級ハードトップ|ホンダ アコード・インスパイア AX-i Vol.1

ホンダの基幹車種として、ワールドワイドに活躍するアコード。

89年にデビューした4代目では、新たな派生車種として「アコード・インスパイア」が追加された。

このインスパイアはアコードの上級モデルに位置付けられ、スタイリッシュな4ドアハードトップデザインに注目が集まったが、ただのアコードの4ドアハードトップ版ではなかった。

ホンダが長らく研究してきたFFの新たな可能性を追求した、革新的なモデルだったのだ。


 FFといえば、エンジンを横置きに搭載するのが一般的。しかしインスパイアはアコードよりもホイールベースを85mmも長く設定し、世界初のFFミッドシップ・縦置き5気筒というレイアウトを実現した。

このレイアウトのメリットはいくつかあるが、まず縦置きにすることでエンジンによるボディ振動を大幅に低減することに成功。

さらに、パワープラントをフロント車軸の後方に配置したことで、FFとして優れた60対40という前後重量配分を達成した。

また、フロントサスペンション周辺の効率的なスペース活用が可能となり、サスペンション設計の自由度がアップ。

これらにより、FF車ならではの軽快なハンドリングと上級車としての高い質感を手に入れることができたのである。



最上級のAX-iは15インチアルミホイールが標準。タイヤサイズは205/55R15だ。



メーターパネルは大径のタコとスピードのほか、小径の水温と燃料のみというシンプルかつ視認性に優れたもの。



AX-iのシート表皮はエクセーヌで、運転席は電動調整式。本革ステアリングとのセットオプションで、本革シートも用意されていた。


アシートはヘッドレスト別体式で、アームレストスルー機構付き(AZ-iを除く。)



センターコンソール後部にもエンブレムが。バブル期ならではのぜいたくな作り。


ハチマルヒーロー 2019年 05月号 vol.53(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text: Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Satoshi Kamimura/神村 聖

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