20代のオーナーがたどり着いたW111型との付き合い方|68年式 メルセデス・ベンツ250SE vol.1

       
「縦目」と「テールフィン」「二重バンパー」で、歴代メルセデスの中でも、極めて個性的なキャラクターを備えるW111型。1959年に発売されたことを考えれば、そのテールフィンデザインが、アメリカ車に影響されたものだという話も、納得できるものだ。なぜなら、48年登場のキャディラックが初めて採用したと言われるテールフィンデザインは、50年代半ば以降には多くのアメリカ車に採用され、絶大な人気を博していたからだ。

 そんな生い立ちから「フィンテール」とも呼ばれるW111型は、セダン、クーペ、カブリオレの3つのボディタイプをそろえていたが、テールフィンを備えていたのはセダンだけであり、クーペとカブリオレにはもともとテールフィンは採用されていない。さらに、発表当初から賛否両論あったテールフィンは、65年のマイナーチェンジでセダンからも消え去った。

 エンジンは、2.2Lの水冷直列6気筒SOHCで、220Sを名乗ったが、後にボッシュ製機械式燃料噴射装置を備えたSEが追加されるなど、マイナーチェンジを繰り返しながら、ラインナップを増やしていく。

 さて、ここに登場する250SEは、65年にモデルチェンジを果たしW108へと進化したセダンと同様、それまでの2.2Lから2.5Lへと排気量を拡大したエンジンを搭載したモデル。ちなみに、セダンがモデルチェンジを果たした後も、クーペ/カブリオレは、71年まで継続生産された。

 センターピラーを持たないハードトップスタイルのボディは、極めてエレガントで、高貴な美しさを漂わす。



大きなスリーポインテッドスターが目を引くボディ同色のホイールキャップが、落ち着きを与える。


チョコレートブラウンのボディにはしゃれたピンストライプが入れられている。



インテリアも見た目はすべてオリジナルをキープ。タコメーターはクラウンのものを裏に仕込みオリジナルのメーターを動かしている。シフトもコラムATで、ポジションインジケーターも作動する。キックボード付近にはスピーカーとネットワークを設置し、快適に音楽を楽しむことができるよう配慮されている。


ノスタルジックヒーロー  vol.166 2014年 12月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:HIRANO AKIO/平野 陽

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