エアコン付きガレージ!? で保管された、KPGC110ケンメリGT-R|73年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-R Vol.3

GT-Rのエンブレムがブラックアウトされたグリル部分に装着されている。ライトは小糸製のハロゲンが装着されているが、オーナーは当時のスタイルに戻したいという。

       

オリジナルパーツ多数の希少性の高いケンメリGT-R

いろいろなクルマに乗るのが好きだったという柏木さん、その根底にはクルマへの探究心があった。

「クルマ本来の究極がどこにあるのか? を知りたいんです。軽自動車からスポーツカーまで、いろいろなジャンルのクルマに乗って、そのクルマ本来の性能を試してみたくなってしまうんです。タイヤを変えてみたり、いつもガレージでクルマをイジっていますよ」

 エアコンが設置された自宅ガレージには、数台のクルマが収められ、時間を忘れて作業をしているという。そのクルマ趣味に旧車という世界が入ってきて、さらに趣味の世界が広がった。

 柏木さんとクルマとの出合いは高校時代までにさかのぼる。5歳年上の兄が乗っていたフェアレディZだった。

「運転免許を持っていませんでしたが、庭に白線を引いて、車庫入れの練習をしていました。ボディと1cmの誤差もないように、何回も白線を引き直していましたが、いつしかピタリと駐車できるようになったのを覚えています。これがすべての原点だったかも」

 オリジナルに忠実なケンメリスカイラインとの出合いが、遠い昔の記憶をよみがえらせたのかもしれない。クルマを眺める笑顔からは、純粋にクルマを楽しんでいることがよく分かる。



エクステリアだけでなく、内部もきれいな状態を保っている。走行距離が少なく、保管状態もよかったクルマであることがよく分かる。



希少性の高いKPGC110ケンメリGT-Rがオリジナルの状態で保存されている。



美しい純正タコ足が見える。手前右には大気汚染対策として取り付けられた燃料蒸発ガス排出防止装置のベントクリーナー。



アクオーターパネルにRのバッジを装着。車内の空気を排出する換気口の機能がある。逆側は給油口になる。


関連記事:販売台数は200台以下。ケンとメリーのスカイライン、そのGT-Rとは?|73年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-R Vol.1

ノスタルジックヒーロー  vol.197 2020年 02月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Keishi Watanabe/渡辺圭史 photo:Motosuke Fujii(Salute)/藤井元輔(サルーテ)

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