トヨタの鼓動 若いころに憧れたヨタハチの姿 2

ボディカラーは純正色のジリコンブルーメタリックで、パーフェクトな状態を維持している。ホイールはRSワタナベの12インチを装着。

28年前、知人の紹介で貴重なヨタハチの最終型を手に入れた熊野さん。

「免許を取った18歳のころは、ヨタハチはまだディーラーで販売されていました。ただ、2人乗りの小さなスポーツカーは実用的ではなく、私も迷わずカローラスプリンターを買って楽しんでました。そのうち、家族もできて家庭も安定してきたころに、急にヨタハチのことが気になりはじめたんです。そんな時に、たまたま偶然、知人からこのヨタハチを紹介されたんです」

 1982年に手元に来た最終型のヨタハチは、オリジナル度も高く、見た目の状態も悪くなかったのだが、どうしてもボディのサビ具合を自分の目で確認したかったため総剥離することに。製造されてから19年たっていることもあり、ある程度の予想はしていたが、やはりボディの下回りなどにはサビが発生していた。それをできる範囲で熊野さん自身が修復。28年間の時を経ても、美しいジリコンブルーのボディはもちろん、ボディの下回りがキレイなことも自慢のポイントなのだ。もちろん、状態維持のため、雨の日は乗らない、水洗いはしない、ゴムの劣化に注意するなど、旧車オーナーとしての鉄則をしっかり実行してきた賜物なのだ。

トヨタスポーツ800のメーターパネル
68年式からは、薄い黒に塗装されたメーターパネル、黒色アルマイト処理のメーターリムなどは69年式でも踏襲される。さらに、ターンシグナルインジケーターが2つになり、アッパービームインジケーターがタコメーター上に移動している。

トヨタスポーツ800のインパネ
ライトスイッチにはパーキングランプが新設されたためスイッチの上にコーションプレートが付けられた。1段引くとスモール、2段引くとヘッドランプ。1段回すとパーキング2灯、2段回すとパーキング4灯と書かれている。


トヨタスポーツ800のサンバイザー
純正オプション品ではなく、熊野さんオリジナルのサンバイザーは、パブリカ用を加工して装着している。

トヨタスポーツ800の発煙筒
シートの間にあるグローブボックスには発煙筒を装備。

トヨタスポーツ800のスペアタイヤ
トランクには、純正のスペアタイヤ、車載工具、そして取り外したルーフを収納する時に使うカバーまで揃っている。ただし、カバーの状態はよく見えるが、経年変化によって縮んでおり、ルーフを入れることは不可能とのこと。

トヨタスポーツ800のベンチレーター
ピラー部分に設けられたクオーターベンチレーターからは、カウルベンチレーターから入った風が抜け、雨天でも換気できる。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2010年8月号 Vol.140(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo:Kazuhisa Masuda/益田和久

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