レース用オプションの鈴鹿仕様サス。そしてワタナベチューンの虜に|69年式スカイライン 2000 GT-R vol.2

       

40年で到達した隙のないたたずまい!
ノーマル然としながら走りは際立つ

山崎さん秘蔵のレース用パーツは苦労して手に入れたものばかりで、それぞれの部品にエピソードがあるそうだ。

 集めたレース用部品を持ち込んでのチューニングを依頼したのは、前項のGT‐Rレーシングに登場したGT‐Rの神様こと「GT‐Rサービスワタナベ」の故・渡辺茂さん。逝去されるまでの付き合いは37年におよび、渡辺さんのことを「茂さん」と呼ぶことからも親交の深さがうかがい知れる。

「初めて作業を依頼したのは88年のことでした。前年にフルチューンのエンジンを手に入れて喜んでいたのですが、あまりにも調子が悪いので、茂さんにエンジンを送って見てもらうと、ブロックにはクラック、スリーブは焼き付くなどひどい状態で、『山ちゃん、ブロックを用意しなきゃダメだよ』と。それが初めての作業依頼となりました」

 この時はワークスパーツを使用していないが、それでも、極めて精緻に組まれたエンジンは吹け上がりも、レスポンスも別物。なにより、澄みわたるエキゾーストノートに、山崎さんはひと踏みで渡辺チューンのとりこになった。



元色はシルバーだが、1987年に鈴鹿塗料に純正の赤指定で全塗装されたボディカラーは少し明るく見える。色ツヤもあり美しい状態。


マッハのステアリング以外は、ノーマル然としているコックピット。ミッションはオプション1が組み込まれている。



安定した点火を約束するCDイグナイターはオレンジではなく、ワークス仕様のホワイトを使用する。



サスペンションはレース用オプションの鈴鹿仕様。車高は50㎜近く下がるのでバンプラバーもレース用のショートサイズに交換。フロントブレーキはMK63を装着。


ノスタルジックヒーロー  vol.197 2020年 02月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Shinichi Yamazaki/山崎 真一 photo:Motosuke Fujii/藤井 元輔

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