縦2つ並びのリアコンビランプとヘッドレストが北米仕様の証|70年式 ダットサンスポーツ1600 Vo.3

       
乾燥したテキサスの地で長年保存されてきたボディはサビもなく、程度は良かった。しかし、エンジン周りは長年の経年劣化などもあり、レストアが必要。そこで、馴染みのあるスクーデリアVRKにオーバーホールを依頼した。


前オーナーの着けていたナンバープレートも一緒に送られてきた。長年大切にされてきたクルマで、前オーナーの思い入れも強かったようだ。


フロントウインドーの左下、内側に車台番号が刻印されたプレートが装着されている。北米仕様の特徴でもある。



 細かいレストア作業は自身で行っている。クルマを手に入れた最初の夏休みは、ガレージにこもって作業していたという。シフトレバーブーツは自分で作ってしまったというから驚きだ。

 パーツはアメリカからの輸入などで対応している。現状の状態を保つために、メンテナンスも欠かさない。
「錆びるところなどは、最初から分かっているから、ワックスをかけたりして、現状を維持しています。ドアもばらして内部にワックスをかけていますよ」

 2006年に納車されてから約1万マイルを走行している。夏場にパーコレーションを起こしてしまったことがあるが、おおむね機関は良好だという。「どこが壊れているか分かりやすい、この時代のクルマはいいね」と笑顔で答える姿が印象的だった。


ギアシフトカバーは自作アイテム。ラジオが縦型に収納され、狭いスペースを有効に活用しているのが分かる。


国内仕様では縦に3つ並ぶテールレンズ。内側に配置された1枚はリフレクターとなっている。





1970年式 ダットサンスポーツ1600(SPL311)
●全長3953㎜
●全幅1495㎜
●全高1305㎜
●ホイールベース2280㎜
●トレッド前/後1270/1198㎜
●最低地上高183㎜
●室内長840㎜
●室内幅1195㎜
●室内高930㎜
●車両重量920㎏
●乗車定員2名
●最高速度170㎞/h
●登坂能力sinθ0.527
●0→400m加速17.9秒
●最小回転半径4.9m
●エンジン型式R型
●エンジン種類水冷直列4気筒OHV
●総排気量1595cc
●ボア×ストローク87.2×66.8㎜
●圧縮比9.0:1
●最高出96ps/6000rpm
●最大トルク14.3㎏-m/4000rpm
●変速比1速3.382/2速2.013/3速1.312/4速1.000/後退3.364
●最終減速比3.889
●燃料タンク容量43L
●ステアリング形式ボール循環式
●サスペンション前/後ダブルウイッシュボーン式独立懸架コイル/半楕円型リーフリジッド
●ブレーキ前/後ディスク/リーディング・トレーリング
●タイヤ前後とも5.60-14 4P
●発売当時価格2546ドル


ノスタルジックヒーロー vol.195 2019年10月号掲載(記事中の内容はすべて掲載時のものです)

text : Keishi Watanabe/渡辺圭史 photo : Ryota Sato/佐藤亮太

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