日産スポーツカーの原点ともいえるクルマ、日産モータースポーツヨーロッパ元代表の手元へ|70年式 ダットサンスポーツ1600 Vo.2

       
日産のスポーツカーの原点ともいえるクルマのなかの1台が、北米から日本に戻り、モータースポーツに貢献してきた日置和夫さんの手に渡っている。


現在でもモータースポーツ関係の仕事に従事している日置さん。常に最新のモデルとともに歩んできたカーライフに新たな旧車が加わり、忙しい合間を縫って、レストアを楽しんでいる。ドライビングの楽しさを感じるクルマなので、時々、仕事に乗っていくこともあるとか。モータースポーツに携わってきた日置さんらしい選択といえる。


 日置さんは日産モータースポーツヨーロッパの代表を務めるなど、日産のスポーツモデル開発やモータースポーツ活動にかかわってきた人物。今ではNPO法人日本モータースポーツ推進機構の理事を務めている。



 意外なことに旧車を手に入れたのはこのSPL311が初めてだという。 「これまでいろいろなクルマに乗ってきましたが、古いクルマを所有することはありませんでした。でも、リタイアしたら乗りたいとは思っていました」



 リタイアを機に、昔の部下にお願いしてダットサンを探したという。そして、テキサス州で見つけ、購入した。 「高校受験の時、近くの病院のお医者さんがこのダットサンに乗っていました。時々、夜になるとクルマに乗せてくれて、ラーメンをごちそうになっていたんです。

当時は日本グランプリで勝利したクルマという意識もあって、その時の印象が強く残っていて、いつかは乗ってみたいと思っていました」


メーターはもちろんマイル表記。全体的にブラックで統一されたインパネとインテリアがシンプルな印象を醸し出している。ステアリングセンターにHORNのラベルを張っているが、車検のためにつけなければならなかったという。



シートにはヘッドレストが取り付けられている。北米の安全基準によるものだ。


ラゲッジスペースを確保するために、トランクリッドキャリアが装着されている。北米のロングドライブには必須のオプションアイテムだったのだろう。




ノスタルジックヒーロー vol.195 2019年10月号掲載(記事中の内容はすべて掲載時のものです)

text : Keishi Watanabe/渡辺圭史 photo : Ryota Sato/佐藤亮太

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